ファームウエアは、用語辞典にあるように、"firm"wareで、hardほどは硬くないけど、softほど軟らかくない、というのが語源です。
#4さんも書かれていますが、機器に組み込まれているソフトということで、"firmware"と"組み込みソフトウエア"は、ほぼ同意語です。
つまり、hardwareはそう簡単には設計変更できないが、softwareは容易に設計変更可能で、パソコンのようなコンピュータ上では入れ替えも容易です。
firmwareは、実装されるときはROMの形態なので、softwareほど入れ替えは容易ではないが、ROMチップを交換することで入れ替え可能になります。
ただ、1チップマイコンのように、Mask ROM内蔵の形だと、マイコンチップ自身を交換しなければなりません。
最近のように、Flash Memoryを使用していれば、道具と仕掛けさえあれば、オンボードでも書き換えられるようになりました。
firmwareに含まれる機能は、該当機器のハードウエア制御も、(必要であれば)通信もユーザーインターフェース(キー入力や音声出力、表示など)もすべて含まれます。
OSはOperating Systemの略で、システム全体の管理を行なうソフトウエアです。パソコンのWindowsが有名です。
このうち、機器に組み込まれるOSを組み込みOSと呼び、特徴は用語辞典に書いてあるとおりです。Windowsなどと比べると、贅肉を徹底的に落としてリアルタイム性やコンパクト化が図られています。
firmwareの中で、システムの管理を行なう部分が組み込みOSです。つまり、組み込みOSは、firmwareの一部ということになります。リソース(資源)を管理するということは、特定のハードウエアがリソースなら、そのハードウエアが含まれますし、CPUやメモリもリソースとして管理されます。
具体的に、firmwareのどの部分が組み込みOSかというと、そのOSの実装のされ方にもよりますので、実例を見てみるのがいいのではないでしょうか。
国内では、組み込みOS(RTOS)としてiTronが有名です。一度iTronを調べみるとよいと思います。マイコンメーカー各社が自社マイコン向けのiTronを開発しています。
また、特徴のひとつのリアルタイム性が強く要求されることが多いので、リアルタイムOS(RTOS)と呼ばれることも多いです。
なお、電卓やちょっとした家電品などは制御が軽いので、OSを使用していないことがほとんどです。
お礼
誠にピンポイントかつ詳細な御教示、有り難うございます。 よく分かりました。組み込みOSはファームウェアの一部であるが全く異なる概念なんですね。Mask ROMやiTronなども知りませんでした。勉強させていただきました。 たくさんあった疑問が全て氷解しました。有り難うございました。