>ふと思ったのですが、喫煙という行為そのものは合法なのでしょうか。
それは各国の法律や条令によります。
たとえば海外では大分前から、日本でも最近は喫煙禁止区域を設けていたりします。(歩きタバコ禁止区域など)
ここでの喫煙は条例違反、つまり法律ではないものの違反に違いはなく、処罰対象です。
>不謹慎なことをいって申し訳ないのですが、これらの物質を使ってテロなどが起こされた場合実行者は有罪になるのでしょうか?
通常タバコに含まれる量では致死量には程遠いですが、抽出濃縮するなりで致死量にいたるものでそのような行為をすれば当然犯罪になります。
>もし有罪になるのであれば一般の喫煙者が捕まらない理由を教えていただけないでしょうか?
それは因果関係の立証という問題があります。
つまり犯罪となるには実際に被害が生じるか、あるいは未遂であっても、被害が生じることが十分に予見されることが重要です。
ここで問題となるのがその予見性と濃度などの程度の問題になります。
たとえば極端な話として、重度の喘息患者でタバコの煙が忌避となっている人Aがいたとしましょう。ここで別のBという人がAが重度の喘息があり、タバコの煙が喘息の発作を引き起こして致命的であることを承知の上でタバコをすって煙をAに吸わせたとすれば、これは明らかに傷害罪なり死亡すれば傷害致死、または殺人などの犯罪に問われるでしょう。
ところが通常の人の場合、大抵はある程度の有害物質に対しても許容度があります。
その許容範囲であれば具体的な被害は生じないわけです。
そうなると犯罪の構成要件を満たさなくなります。
たとえばタバコではなくディーゼルエンジンの排気ガスでもそうです。あれをまともに吸い込めば死に至るのはご承知の通りです。その意味ではタバコより有害性が高いといえます。
しかし、ではディーゼル車を運転する人は犯罪を犯しているのか?というとそうはなりません。
とはいえ、有害であることがわかっている場合には、その濃度の規制なり、場所の規制なりして、メリットとデメリットの双方を考えてある程度のラインを敷いて、折り合いをつけているわけです。
#ここではメリットデメリットの議論は質問の範疇を越えるのでしません。
#どうせタバコのメリットについての議論になると本題から外れるし、喫煙する人としない人の意見の相違がかみ合うとは思えないで避けましょう。
似たような話ではお酒もありますね。最近の飲酒運転の話から。
ちなみに逆にいま規制されているものとしては大麻がありますね。あれは厳密には麻薬ではなく、習慣性もタバコより低いとされ、喘息治療薬としても有効な側面があり、実はそんなに健康に害のあるものではありません。
これなどは典型的に、単純に毒性の問題ではなく、「社会のニーズやコンセンサス」により犯罪としたり犯罪としなかったりしているという典型例です。
(大麻は国によっては合法としている国もあります)
お礼
非常にご丁寧に解説していただきありがとうございます。 本当によく理解することができました。 二つほどお聞きしたいのでよろしいでしょうか? 一つめは喘息患者Aさんの例についてなのですが、もしBさんがAさんがそういった患者であることを一切知らずに喫煙してしまい、その結果Aさんが致命的な被害を受けることになってしまった場合Bさんはどうなるのでしょうか? 二つめは#1さんにもお聞きしたのですが、何故未成年のみ喫煙が違法になるのでしょうか? もし健康上好ましくないというのが理由であれば、当然未成年がいる可能性のある場所での喫煙行為は一切禁止するべきだと思うのですがいかがでしょうか? よろしくお願いいたします。