肝心なことを書いていませんでしたが、
いわいる2ペダルのMTは、クラッチ操作を自動化したもので、ドライバーがシフトチェンジをすると、ミッションが勝手にクラッチを切ったり繋いだりします。
今は、ドライバーのシフト操作を簡単に検知できますが、クラッチ操作の自動化へのチャレンジというのは昔からあって、ポルシェなどは、シフトノブに触れただけでクラッチが切れる、というような機構を使ったこともありました。
誰かが160キロで走行中に、ついシフトノブに触ってしまい、瞬時にクラッチがばらばらになった、という話を聞いたことがあります。
国産の油圧式2ペダルMTとしては、MRSのSMTのほかに、かつていすずのNAVI5というのがありました。
これは、シフトゲートがMTと同じという以外、基本的にはSMTと同じもので、完全なATモードもありました。
評論家ウケは良かったのですが、肝心のいすずが乗用車から撤退してしまいました。
今では、NAVI6に進化して、トラックに積まれている、と聞きます。
SMTにATモードを搭載するのは簡単だったでしょうが、それをしなかったのは、トヨタの見識だと思います。
なにせ、スープラATの中古車は人気がなく、下取りも安いですからね。
今の日本の流れとしては、CVTを、有段変速機として使う、というものが有力です。
本来、無段階に減速比が変化してゆくCVTを、あえて特定の減速比でしか動かないようにします。
そうすると、プログラムを書き換えるだけで、簡単に10段変速でも、20段変速でも、作り出すことができます。
トルコンは搭載していても、発進時のクラッチ代わりの意味しか持たず、あとはロックアップ状態になります。
問題は高出力エンジンに組み合わせた時の耐久性で、そのため日産のエクストロイドのような発想も出てきます。
一方で、最初は省エネ車と思われたハイブリッドが、実はすさまじいアクセルレスポンスを持つことが理解されてきて、スポーツ系の車をハイブリッドにする、という試みも進んでいます。
ハイブリッドはCVTと相性がいいですから、今から巨額の研究費をかけて新たに2ペダルMTを開発するのは、なんとなくムダなような感じはあります。
今はメーカーも、どういう形ならマーケットに受け入れられるのか、試行錯誤しながら、様子を見ているのではないでしょうか。