マラソン選手に早く走るためにはどうしたらよいか、という質問をしたとします。どのように答えるでしょうか? 「速く走ればいい」とは答えないような気がします。
有名なたとえ話ですが、「ももたろう」の話を読んで、登場人物が誰だったかを忘れる人は少ないといいます。ということは、現代文を読んで分からないということは、それだけ「読解力」が追いついていないことを意味します。
桃太郎の絵本を小さな子供が読むより、我々は早く読むことができると考えます。それは、我々の読解力が上回っているから、と考えられるわけです。
本題です。まずはゆっくり、そして正しく文章を読む訓練が必要です。どれだけ時間をかけてもいいのです。その繰り返しによって、だんだん早く読めるようになるのです。速読イコール現代文が解ける、と考えるのは速断というものです。
というわけでお勧めは、同じ文章を10回は読んで、よく理解することです。そこからはじめなくてはなりません。センター試験まで時間がないことは確かなのですが、受験テクニックで点数を取れるほど、現代文はテクニックをあまり必要としない科目なのですね。
しかし、矛盾しますが、センター現代文は、テクニックが存在します。いいですか、常に念頭においてください。
「本文に書かれていないことは、絶対に答えにならない」です。
それがどのように「本当らしい」ことであっても、本文に書いてなければ、正解の根拠とならないのです。
このテクニックは、昔、代ゼミで現代文を担当していた田村という先生が書いていることなのですが、日本で唯一、公式に解答を出すのがセンター試験なのだ、ということです。何を意味するか。これは根拠が提示できないと、解答が複数あるような紛らわしい問題に、設問者が胸をはって解答を出せないという理由からなのです。
だからこそ、センターの現代文の内容はかなり難しいのですが、逆に、文章が読めさえすれば、かなり簡単に問題を解くことができるのです。
ということで、田村の現代文、センター問題を解いてみてください。なかなか納得行く説明がされていると思います。