一般に物価上昇、インフレというときは消費者物価指数とか企業物価指数、卸売物価指数など多くの品目の値上がり(値下がり)率を平均した指数を使って示します。
金、原油の価格は単一の品目の上昇(原油の場合油種が違えば値段は異なる)であるのに対して、一般に物価と言うときには消費者、企業などが購入する広い品目を平均してその全体の値上がりを示します。
たとえばその典型の消費者物価指数を例にとるとその国の家計が購入するバスケット(消費支出の中で何をどれくらい買っているか)の中の比率に従って平均するのです。昔なら食事の中では米の比率は今よりずっと多かったはずですから、米価の値上がりが消費者物価に大きな影響を与えました。一方、今では外食で回転寿司を食べることもありますのでこの値段の動きも一品目として採用され、平均して消費者物価指数で計算されています。
たとえば携帯電話料金の値下がりなど年々下がっていることも計算に加味されています。ただし、過去長い期間では多くの品目の物価はかなり上昇してきましたから、それに比べて金、原油はそれほど上がっていないというのが冒頭の現象です
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これまでで分かるように、消費者物価指数の中の品目構成比はそのときの実態に合わせて変更されています。消費者物価指数の品目構成比も五年ごとに変更され、この8月に発表された新指数ではフィットネスクラブの料金などがあらたに採用され、逆に男子ズボン下などが除外されています。時代の流れですね。
また、値段が下がらなくてもパソコンのように性能が向上すると実質的に値下がりしたという計算も細かく調整されいます。下に紹介したURLで分かるようにかなり複雑な計算の代物です。
卸売物価指数、企業物価指数は個人の家計でなく同様に企業の購入のバスケットの比率で計算されるものです。