>ラジコンでも本物の飛行機でも同じだと思うのですが
ラジコンと本物の飛行機とは「似て非なるもの」と思ってください。似た部分が少しあるといった程度です。
>離着陸時は追い風と向かい風とどちらが都合がいいのですか
「都合がいい」とは何を指して言っているのか分かりませんが、「離着陸時」に限定してなら、「すべてに」といえます。少し詳しく書いてみます。
旅客機に限定していえば、離着陸時に関していくつかの制約があります。
〔離陸時〕
1つは、滑走路の長さです。着陸時より離陸時のほうが長い滑走路が必要となります。理由は、離陸直前に1つのエンジンが停止した場合に安全に離陸が継続できるか、安全に滑走路上で停止できるか、の2つの条件が成立しなければ飛行できません。追い風が強くなるとどんどん長い滑走路が必要となります。しかし、滑走路の長さは変更できませんので、航空機の重量を軽くする・・・貨物の搭載制限、乗客数の制限など・・・必要が生じ不利となります。
また、向かい風が強くなると滑走距離が短くなり、地面抵抗による燃料ロスが少なくなりますし、タイヤの磨耗も少なくて済みますので、有利となります。
2つ目は、雨とか雪とかで滑走路の摩擦係数が低下したときに必要滑走路長が伸びてきます。状況によって、追い風離陸が禁止されます。
3つ目は、追い風が強くなるにしたがって車輪が地面を離れるときの速度が増加してきます。飛行機のタイヤ速度が制限されているので、これを超えるようになる追い風では飛行できません。夏場は、タイヤの温度も上がりこの速度も低くなります。向かい風の場合は、無条件でこれらをクリヤーできます。
〔着陸時〕
1つ目は、離陸時と同じように滑走路の長さによる制限です。追い風となると着陸距離が伸びてきます。とくに空中で伸び易くなり、接地点を大きくオーバーする危険性が増大してき、無理して接地させるとオーバーランとなります。滑走路の短い飛行場では特に注意すべき点です。
また、ブレーキの使用量が多くなり、ブレーキシステム、タイヤなどに悪影響が出てきます。
2つ目は、雨とか雪とかで滑走路の摩擦係数が低下したときに必要滑走路長が伸びてきます。状況によって、追い風着陸が禁止されます。
3つ目は、追い風では沈降率が高くなる。旅客機は、現在ほとんどの空港で3°の降下角度で進入します。無風で毎秒3mちょいの沈降速度です。時速で11kmくらいです。追い風が強くなるとこの速度が増加し、接地時の引き起こしに失敗すると、地面に激突する結果となり、航空機を損傷させたり、乗客にダメージを与えたりする危険性が増加します。
また、接地時の速度上昇に伴うタイヤへのダメージの量も増加し、タイヤバーストの危険性も増加します。
そのほかにも、機体設計上の固有の問題で、追い風の速度制限があります。
航空機の空中における操縦性能については、追い風、向かい風の区別なく同じと考えてください。
しかし、規定の進入角の維持、引き起こし開始時期、タイミングなどの点については、ゴルフをされている方はお分かりと思いますが、速いグリーンでの上りライン(迎え風)と下りライン(追い風)とでのパッとの差のような難しさの違いは出てきます。
お礼
大変詳しく説明していただきましてどうもありがとう ございます。