クラウンの種類について

質問

根管治療などが終わってポストも立て、いよいよクラウンを選定する段階になりました。そこで伺いたいのですが、歯並びの悪さもあって、前歯中心にかなり多数(15本位)の歯にかぶせる予定なのですが、これだけ多いと、どれを選んだらいいのか迷ってしまいます。料金はかかることを覚悟しているので、それはおいといて、多数の歯にかぶせても比較的快適に咀嚼できるものはどれなんでしょうか。ちなみに、今回は自費診療で、セラミック系にすることだけは決まっています。セラミック系だけでかなり種類が多いので、かなり困っています。オールセラミックはもろいとか聞くと、本数が多いだけに咀嚼器官としてはやはり頼りないのでしょうか。今回は「歯の機能回復」が最大のテーマなので、専門家の方、詳しい方、経験者の方の複数のご意見を伺ってから慎重に決めたいと思っています。
どうか、よろしくお願いいたします！！！

回答No.1

katatumuriojisan · ベストアンサー

クラウンの材質は大まかに分けると「金属」「セラミック」「ハイブリットレジン（ハイブリットセラミック」となります。
それぞれを組み合わせた物もあります。
最内装にキャップ状の金属が有るのが「メタルボンド（メタルセラミック）」です。
メタルボンドには噛む面、裏側の面の一部～大部分を金属にした「前装冠」と言うタイプのものもあります。
ハイブリットにも同様な物が有ります。
全部を同じ材料で作ったものは「ジャケット冠」「オールセラミックやオールハイブリット」と呼ばれます。

色や自然感を最も再現しやすいのはオールセラミック、質感に関してはハイブリット、と言ったところです。

さて、ご質問の咀嚼と言う機能に関してですが、実に難しい問題です。
適切な強度、噛み合う歯同士の調和、耐久性など様々な要因が有ります。

個人的には『噛み合わせの面』は金属で作るのが最も適切かと思います。
噛み合う相手が自分の歯の場合にも最も適切に調和します。
お互い適度に磨り減りながらかみ合わせの加齢変化にも適切に対応出来ます。
噛み合わせを極めて正確に設定したり微調整するのも金属が最も行いやすい材料です。
土台の歯への適合精度も金属が最も正確に作りやすいです。

セラミックの場合大変高い耐久性を示しますが、相手がセラミック以外の場合クラウン側はほとんど磨り減らず、長期的には口全体での噛み合わせのバランスが微妙に乱れる可能性も有ります。
また、脆さに欠点が有り衝撃的な力や一定限度を超える力が加わると欠けたり割れたりする場合があります。
また、仕上げが悪いと噛んだ時に『ギシギシ』する場合も有る様です。

ハイブリットはセラミックとプラスチックの中間的な性質で、硬すぎず脆さも少ない、噛み合わせの面にも対応できる、と言う目的で作られた比較的新しい材料です。
絶対的な硬さはセラミックには及びませんし、粘り等の強さは金属には及びません。
ある意味中途半端ですが、最近良く使われるようになりました。

快適に噛む感覚に優れるのは、金属＞ハイブリット＞セラミック。
長持ちするのは、セラミック＞金属＞？ハイブリット。
衝撃や過大な力に強いのは、金属＞ハイブリット＞セラミック。
加齢変化への適応性は、金属＞ハイブリット＞セラミック。
と言った感じでしょうか？

しかし条件や治療技術、製作技術により状況は随分変わってしまいます。
一般的な傾向、雰囲気としてご理解下さい。

オールセラミックも内装に金属が有るメタルボンドも表面のセラミックの強度には大差はありません。
オールセラミックも再内層はより強度の高いジルコニア系の材料等が開発されてきていますので、強度に関してあまり心配しなくても良いと思います。
特に前歯の使用についてはほとんど全く問題は無いと思います。
オールハイブリットの場合はやや心配ですが、接着時のトラブルさえ無ければ（完璧な接着が成されれば）大きな問題は無いと思います。
（これはオールセラミックについても言えます。）

前歯は美しさで言えばオールセラミックですが、予算との兼ね合いでどれを選んでも良いと思います。
奥歯は出来れば金属、自費の白金加金合金の選択が良いように思います。
見栄えに問題がある部位では白金加金の冠でハイブリットを前装するのが良いと思います。
セラミックの前装の場合、金属の種類が限られ、どちらかと言うと柔らかめの金属しか選択できない場合も多いです。

個人的な見解で一般論と少し違うかもしれませんが、よろしければ参考にして下さい。

お礼

とても丁寧に教えてくださり本当にありがとうございます！！！　コメントを読ませていただいて、ハイブリッドにちょっと興味をもちました。変色やにおいが心配で選択肢からははずしていたのですが…。これからもう少し調べてみようと思います。あと、かみ合わせ部分が金属のメタルボンドも、オールセラミックよりはるかに歴史が長いようなので、信用できるような気もしますし。あとは、実際にお世話になっている担当の医師の意見も尊重しつつ、最適なものを選ぶべく頑張ります。