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うつとダウンレギュレーション・・・
抗うつ剤を服用することによって寛解まで持っていけるのは本当に再取り込みを阻害し続けた結果起きるβ-受容体や5-HT受容体(サブタイプは割愛)のダウンレギュレーションによるものなのでしょうか?? そう考えられていると説明されているのは知ってますし(私も回答ではこのような事を書いていますし・・・)、確認するための実験系も組んであるということから重要と見られている事も分かるのですが・・・あくまでも、結果的にこれらの作用が認められたというだけでどこまで相関性があるのかわからないと思うのですが・・・
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私は専門家ではないので、全く詳しくはないのですが、昨年6月の『日本医学会シンポジウム』のテーマがうつ病だったようです。その記録集がネットで見られますが、ご存知でしょうか。 その中の、『3.抗うつ薬の薬理機序:最近の知見』の要約部分より引用しておきます。 「しかし、モノアミン取り込み阻害仮説では、阻害作用は抗うつ薬が作用点に達した直後から起こる急性期の作用であるにもかかわらず、うつ病の回復にはおよそ6週間かかる、という現象が十分に説明できなかった。抗うつ薬は、モノアミン取り込み阻害を介して、ゆっくりとした時間経過で脳内変化を起こし、その変化がうつ病の改善につながるのではないか、と考えられてきた。うつ病の回復と関係する現象を直接に起こせる薬物を開発できれば、より早く、よりよくうつ病を改善できることが期待できる。その機序として、受容体のダウンレギュレーションが候補にあがったが、SSRIがダウンレギュレーションを起こさないことから、一般的な機序とはみなされなくなった」 一般人が受ける「専門家の説明」と、学科レベルでの認識とは、何となくずれがある様な気がしてしまいます。 これは学会で呈示される情報が臨床現場へ届くまでに年単位の遅れがあるということなんでしょうかね・・・ 本屋さんで見る一般書の記述などを見ても、少なくとも「抗うつ薬の薬理機序はまだわかっていない」という説明は、殆どなされていない様に感じるのですが・・・
お礼
ありがとうございます。このようなやり取りがあったんですね。β受容体に対しましては、SSRIよりもミルナシプランの時にちょっと疑問に思っていましたが、SSRIとおなじく5-HT受容体のダウンレギュレーションを行うのでスルーしていました。 このやり取りの中にあることは本当に興味深いですね。こういったことが昨年行われていたとは思いませんでした。 一般人が受ける説明と学会レベルで認識が違うのは、一般人に説明する時に難しい事を端折るからでしょう。5-HT再取り込み阻害作用を持つとか、NA再取り込み阻害を持つということすら説明されませんし。それによって、神経シナプス間にある5-HTやNAの濃度を高めるという事まで説明されるとは思いませんし・・・この結果どうなるかということが私が質問した事や、この参考URLの前半に書いてあることですが・・・ここまでくるともう・・・ 作用機所はよくわかっていないというのはほぼ確実に記載がなされていますが、一時期添付文書に、この受容体のダウンレギュレーションが確認されたという記載が(今ではパロキセチンのみですが)なされていたのでこれが機所と考えられているのかなと思っていました。