EUが世界経済の火薬庫であり続ける可能性に就いて
ギリシャの債務危機に代表されるEU域内の経済的諸問題に就いて、連日紙面を賑わしておりますが、ギリシャの緊縮財政受け入れ、そしてその反対給付であろう独仏を中心にしたEUの財政支援のみでは解決しない、即ちユーロという共通通貨が有する潜在的な問題点が改善されない限り、未来永劫に付き纏う問題であると常々感じております。
独仏=善・ギリシャ=悪という図式が支配的ですが、一方に於いては経済危機に於ける緊縮政策が、本来取られるべき財政政策ではない事、即ち独仏主導に依る誤った政策の押し付けである点を指摘する向きも少なくない。
依って潜在的な諸問題が未解決のままでは、中国以上の規模と可能性に於いて、EUが世界同時不況の導火線の位置にあり続けると考えます。
今更ながらですが、ユーロという共通通貨を有するEU経済最大の特徴は、加盟各国の経済状況が相違するにも関わらず、金融政策が基本1つしかない点にある訳で、経済危機に至った際の金融政策の自由度が低い為、財政政策もしくは他国の支援でしか対応不可能という、選択肢の少なさが最大の弱点であろうかと。
弾力性の無い共通の金融政策と各国個別の経済事情及びそこに立脚する財政政策という、恐らくは矛盾するであろう2つの事象の整合性をどう取るか、ユーロの将来はこの1点に掛かっているものと個人的には考えます。
以上に関する皆様の卓説を御教示頂きたい、且つ私の認識に誤りがあればその指摘も併わせて御願い致します。
お礼
どうもありがとうございました。 とても分かりやすかったです。