こんにちは、色々な考え方があっても良いと思いましたので、私が学生時代にグループで東アジアについて研究した中から解る範囲でお答えしたいと思います。
qI 北朝鮮+韓国の連合が出来つつあります。
お答え「韓国は、北朝鮮という国に対し過去のような恐怖を抱いていませんが、北朝鮮は、共産党政策を前面にしながら中身は、金共和国国防委員長の絶対君主制政治が続いています。『貰えるものなんでも奪い取ると言うたかり政治』です。 簡単には連合とは成り難いと考えられます。」
1.朝鮮民族
北朝鮮と韓国は、基本的にはひとつの国です。また、民族としても歴史を見てもらえば解るように李氏朝鮮時代(14世紀~19世紀後半)に均一化したと言われています。
しかし、19世紀後半からは、ご存知のとおり1910年の大韓帝国とした国号変更以来、清朝及び日本の影響を受け続けています。太平洋戦争終結後のヤルタ協定に基づいた旧ソ連軍とアメリカ軍の侵攻によって領土が38°線で分断されたまま現在に至っています。
アメリカ(その他にオーストラリア、イギリス及びベルギー等)の後ろ盾を受けた韓国軍と中国、旧ソ連の後ろ盾を受けた北朝鮮軍が1950年~1953年にかけて戦われた朝鮮戦争の被害者は、関係両軍の死傷者が400万人とも言われています。
とくに、当時のマッカーサー総司令官がこの戦争の終結を図るために原子力爆弾使用をトルーマン大統領に打診したところ旧ソ連を刺激したくないので総司令官を解任させられたのは、有名な実話です。
話は、元にもどります。
2.南北対話と思惑
ご指摘の「北朝鮮+韓国の連合が出来つつあります。」と感じておられますが、この朝鮮戦争以降、南(韓国)北(北朝鮮)の冷戦構造に変化が見られるようになったのが韓国の第15代大統領金大中氏が「太陽政策」を執り北朝鮮との対話政策を進めるようになったことが南北の対談が促進しました。
しかし、当時も現在でも北朝鮮は、大きな思惑を持っています。
北朝鮮の農業政策は、平壌(首都)=官僚からの各農村に気候を無視した均一的な農業(トウモロコシやジャガイモ栽培等)を押しつけたのですが、非現実的な食糧生産政策(肥料過多な施肥設計による畑地の砂地化、旱魃(かんばつ)化等)に入ってしまい食糧の収穫量は、毎年減少線となってしまい自給生産に失敗してしまとことから市民が飢餓状態に入ってしまいました。
特に、生産された農産物を労働党幹部が最初に確保してしまう現状です。一般の市民には、配給制での食糧の配布となり、農業に対する被害の甚大となった年であった、1997年頃は道路にも餓死者の死体(300万人と推定されている。)が大量にあったと言われています。
このような状況から、北朝鮮にとって金大中氏のコメ支援100万tや現代グループ5億ドル違法送金は、北朝鮮市民の飢えの一助としかならなかったのです。
16代大統領盧武鉉氏も「太陽政策」を継承し本年度、北朝鮮に対し電力の供給事業が本格化しようとしていることですが、「北朝鮮の政治姿勢に変化は、見えてきませんね。」
また、韓国の有力紙のHPに韓国のジレンマが伝わって来ますので見てください。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/07/15/20060715000023.html
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/07/12/20060712000007.html
q2 アメリカはイランとか、イラク アラブ情勢で手が回りません。
さらに中国は強烈な反日です
62年間実戦経験の無い 世界最弱の自衛隊が心配です。
お答え「No.4,5,6,の方が答えていられる通りと考えています。」
(1)北朝鮮の軍事基礎資料
(1) 北朝鮮の兵力は約100万を越えると言われています。
その3分の2が韓国との軍事境界線(38°線)から100km以内に配置されていています。
兵力の内訳は 陸軍95万、海軍4.6万、空軍11万
(2) 兵役は、義務兵役制(13年)となっています。
(3) 軍事費は、約16億ドルと予想されています。
(2)軍事力の比較
(1) 38°線に対する米韓の軍事力は、両軍の地上兵力は60万人弱であり人数的にはほぼ拮抗しています。
しかし、北朝鮮軍に決定的に燃料(ガソリンや軽油等)不足が生じているため戦車の演習すら行うことが出来ないと言われています。このことは、陸、海、空軍の全隊に通じているので戦闘機を飛ばす、艦艇を動かすことさえ出来ないと言われています。
(2) 空軍は、Mig15の旧式型が主流として採用されていますが、燃料不足から攻撃手法が神風特攻方式とし100名以上の隊員を育てられていると言われています。
海軍は、2艦隊しかなく旧式な艦艇及び潜水艦が使用されていると言われますので、北朝鮮軍による制空権や制海権の確保と防衛は、不可能な状態と見ています。
(3) 北朝鮮軍の近代化を図るためには、資金と部品と研究者が全く足りない状況に至っており、補完を目的とする大量破壊兵器、ミサイルの開発・配備等を真剣に研究し進めています。
また、北朝鮮内で開発されたノドン、スカッドミサイル及びテポドン1号、2号等が外貨を稼ぐ有力商品となっていることも事実ですし、全世界に対しテポドン2号の性能を見せることに失敗しましたが、ノドン、スカッドミサイルの性能の良さについては、中東、インド、パキスタン等の国防関係者に充分アピールできたものと考えられます。
(2)自衛隊の状況とアメリカ軍
現在、日本海には、日本の海上自衛隊のイージス艦2隻、EP3電子偵察機、航空自衛隊のEPS3対空レーダー等が監視の業務をほぼ完璧に行っています。(しかし、日本のイージス艦やP3Cにおいては、テポドン2号に対する防空ミサイルは、搭載していません。)
アメリカ軍は、空母キティー・ホークを中心とした第7艦隊(タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「同時に16発以上の対空ミサイル発射可能/世界最強のイージス艦」、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦「トマホーク装備/海上自衛隊のこんごう型護衛艦のベースとなったイージス艦」、原子力潜水艦、EP3電子偵察機等)ともにKH-12偵察衛星が北朝鮮の動きを監視しています。
現に、7月5日の最初に発射したスカッドミサイルは、アメリカ軍の偵察衛星KH-12によって日本や韓国に知らされてきましたよ。
q3日本人は戦争はないと見てますが、局地戦はありうるのでは?
こんな情勢で突発的に局地戦を朝鮮連合が始めそうな雰囲気です。
お答えを先に言います。「アメリカ軍は、北朝鮮を直接的に攻撃することは、リスクが多きすぎるのでないと考えられますが、自分の庭(日本、韓国内の米軍基地及びハワイ沖)に飛んで来る弾道弾ミサイルを追尾し追撃及び撃墜を必ず行います。」
アメリカ軍はテポドン2号を日本海及び太平洋にいるイージス艦、P3Cや原子力潜水艦から対空ミサイルを発射しテポドン2号が大気圏を出た所、又は、大気圏内に再突入する前に迎撃してしまいますよ。
しかし、この時点で子供の喧嘩は、終わりますよ。
この事がどれだけ北朝鮮(迎撃された国)を刺激するかと考えたら本当に怖さを感じました。北朝鮮軍が暴走を始めてしまい、金正日共和国国防委員長のシビリアン・コントロールが効かずに日本国内にあるアメリカ軍事施設や日本の大都市、国会や首相官邸等にノドン、スカッドミサイル及びテポドン1号が発射された場合を考えただけで怖さを感じます。
しかし、この後はアメリカ軍による「朝鮮半島統一」と言う旗印に韓国軍を巻き込んだ北朝鮮の軍事施設の爆破がイラク戦争並みに展開され、北朝鮮の支援のため中国陸軍が参戦するという連鎖構造が予想されてしまいます。
ある程度、北朝鮮や東アジアについての知識(日本の半分以上の政治家達も)がある方は、東アジア(北朝鮮及び日本海)での戦争を予測してしまったのではないでしょうか。
お礼
皆様 貴重なお時間をいただき、たくさんのアドバイスいただきました。ここにお礼いたします。 戦争の無い世界が理想ですが、ここ東アジアは冷戦が続きそうですね。