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歯科技工士が診療室で出来ること(長文失礼)
経験二十数年の個人開業歯科技工士です。 こちらのカテゴリーではいつも色々と勉強させて頂いております。 先日某質問サイト(□△▽!□○○)での同業者からのご回答で、「ここ数年は臨床現場にいて、印象や装着時の調整も~。経時的変化を観察できるようになり、製作サイドだけだった頃よりもいろんなことが見えてきました。」との書き込みを拝見し、あらためて現場での患者さんとのかかわりの重要性を認識した次第です。 当方も経験の前半半分近くは院内でしたので、ついつい取引先でも治療に立ち会ったりしてはいるのですが… さて、その様な場合実際に行っている事や、やらされて?いる事、あるいはやりたいと思う事のうち、次の様な行為は法的、あるいは現実的にどこまで可能なのでしょうか。 うっかり「診療行為」をしてしまっては大変です。 見識豊かな歯科医師の先生方、歯科関係者の方々の感覚での○△×をお教えいただけませんでしょうか。 1.歯科衛生士のした印象、チェックバイトのチェックを歯科医師よりも先にして問題点を指摘、再試行を指示する。 2.GOA採得時等に顎の動かし方を口頭で説明する。 3.患者さんと対面し意見を聞きつつ、シェードテイクをしたり技工物に関する説明をする。 4.歯科医(衛生士)が咬合印記した補綴物を受け取り、チェアサイドで調整する。 5.歯科衛生士(歯科医)に咬合チェック等の必要部位を指示しそれを行わせる。 6.歯科医師に指示され、患者さんから直接受け取った義歯をチェアサイドで調整する その他ここまでは可、ここからは不可等ぜひご意見をお聞かせ下さい。 長年結構曖昧なままになっておりました。 回答者様層を考えてこちらのカテで質問させていただきました。 よろしくお願い致します。
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質問者が選んだベストアンサー
法律自体はかなり解釈に幅があると思います。日本は判例主義なので、先例のチェックをしていないので、参考として考えて下さい。 1.歯科衛生士のした印象、チェックバイトのチェックを歯科医師よりも先にして問題点を指摘、再試行を指示する。 衛生士の印象そのものがグレー(少なくとも本印象はNG)なのですが、気泡の有無、エッジの状態、抵抗形態の状況など、技工操作上の立場から指示する事に問題はありません。本来は医師に対してアドバイスすべきところですが、診療室であれば患者さんの事も考えて、衛生士から歯科医に伝えてもらうという事は出来ます。 2.GOA採得時等に顎の動かし方を口頭で説明する。 これはNGです。あくまでも歯科医の仕事ですから、患者さんにではなく、歯科医師に伝え、歯科医師が患者さんに説明しなければなりません。 3.患者さんと対面し意見を聞きつつ、シェードテイクをしたり技工物に関する説明をする。 歯科医師同席で歯科医と患者さんのやりとりを聞く事は出来ます。また、技工操作上の重要事項を患者さんに聞く事もいいと思います。 むしろ、より患者さんの希望に適う修復物を作る上で、技工士が参考に出来る事を聞けないとすれば、その様な法律に問題があるでしょう。 4.歯科医(衛生士)が咬合印記した補綴物を受け取り、チェアサイドで調整する。 修復物のセット前の咬合チェックは歯科医の仕事です。あくまでも調整は歯科医と技工士の相談の上で、歯科医の指示のもとに行うべきです。また、誤解を防ぐ意味でも、技工室かあいているチェアーを使用することが望まれます。まして、患者さんが使っているチェアは清潔さが大切ですから…。 5.歯科衛生士(歯科医)に咬合チェック等の必要部位を指示しそれを行わせる。 これはNG。この場合の「咬合チェック」とは口腔内の調整だと思うのですが、口腔内の調整は歯科医以外には出来ません。 6.歯科医師に指示され、患者さんから直接受け取った義歯をチェアサイドで調整する これはOK。但し、注意点は(4)に同じです。 また、受け渡しはあくまでも歯科医師にです。 患者さんのことを考えれば、印象のチェックやシェードテイキング時、試適時などに技工士が立ち会うのは理想であり常識だと思います。しかし、その為には歯科医院ごとに技工士を置かなければならず、なかなか実行は不可能です。 そういった意味では、現行の法律で認められていないことや判例で認めていない事でも、積極的に合法性を訴える事は必要だと思います。 私は、基本的に患者さんの要望が叶えられる事、技工上の必要な事項については、より積極的に患者さんとの直接的な会話も必要だと考えています。が、現状ではあくまで、歯科医対技工士の話し合いであればOKだと思います。それを患者さんが直接聴いて答えても問題は無いというところが限度です。
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- dontokoi3
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法律的なことははっきりと解りませんが、技工士会や歯科医師会からはっきりOKと文書化されている項目以外は止めた方がいいと思います。 厚生労働省は半端じゃなくうるさいですよ!ルールを破っておいて知らなかったでは済まされません。文書化・明言化されていない物に関していくら言い訳をしても一笑に付されるだけです。 ご自信が罰せられるのは自己責任で済みますが、歯科医院のほうにも多大な迷惑が掛かります。厚生労働省には保険医停止と言う伝家の宝刀があります。いくら論理的にこちらが正しく裁判で勝訴したとしても、「保険医の指定をしません」の一言で吹っ飛んでしまいます。 個人的には歯科技工のプロとしてチェアーサイドで1から6の全てを行って欲しいと思います。
お礼
ご回答有難うございました。 今の様な適当~な感覚の歯科技工士ではいずれに手を出すことも事実上認められないのかも知れませんね。 但し、多くの場合、それらに関する知識、技術が歯科医師側にあまりにも不足していて、技工サイドでフォローせざるを得ない状況もあります(痴がましい様ですが…)。 歯科技工士の教育充実、地位向上、法整備を期待したい物です。
- puyopuyo3
- ベストアンサー率43% (211/488)
判断が難しいところもありますが、同業の方々の意見を伺うためにも、返答させてください。他に色々仕事を持っていますが、歯科医師9年目です。 1.そもそも、本印象を歯科衛生士が行なうことは違法とされています。歯科衛生士に対しては歯科衛生士法上、指揮する権限がありません(歯科衛生士は歯科医師・医師のもとで業務を行なう)ので、違法です。但し、実際に技工を行う立場から、技工上の問題として、良し悪しを判断することはありえると思います。 2.バイト採得は歯科医師のみにできる行為です。顎の動かし方を指示するのが、バイト採得の一環とすれば違法と扱われる可能性があるでしょう。 3.コンサルテーションの中で、患者さんの希望を聞いたり、アドバイスを行なうのは可だと思います。但し、治療方針の決定は歯科医師が判断する行為です。 4.5.補綴物の試適・装着は歯科医師の行為です。従って、歯科技工士が指示することはありません。仮に歯科医師が技工士の指示通りに動いたとしても、それは、歯科医師の判断として行なったことになります。また、衛生士に行なわせることは違法です。 試適を、印記と調整に分ける(印記を歯科医師が行い、歯科医師の指示で調整を行なう)のであれば、調整についてはグレーと考えます。 6.上と同じく、歯科医師の指示下の調整はグレーでしょう。 補綴物の試適・装着・調整は歯科医師の行為です。法律では、治療と技工を明確に分けていますので、治療に係る行為は違法となるのではと考えています。 以上私見です。他の方々からのコメントも拝見したく存じます。
お礼
貴重なご意見を有難うございます。 歯科衛生士の診療行為に関しては現状とのギャップ?も有り、当方で少し誤解している点も有りました。 試適・装着・調整は、考えてみれば技工物が歯科医師、患者に渡った以降はその行為に対する報酬は歯科医師に対して設定されているわけですから、その点でも技工士の仕事で無い事は明確ですね。 我々の得意分野が、より直接的に患者さんに生かせ、歯科医師や、良好な治療の役に立てれば良いとは思うのですが…
お礼
いつもながら大変詳しく、丁寧で正確なご判断を有難うございます。 先生のご回答は本当に勉強になります。 当然と言えば当然ですが、いずれの場合も歯科医師を介して行えば大きな問題が無いのかもしれませんね。 「じれったくなって」手を出してしまったり、「ちょっとこれやっておいてくれ」への安請け合いはしないようにくれぐれも注意したいと思います。 合法的に治療の一部にに関われる様に成るためにも、それに相応しい技工士が登場しなければいけない訳ですね。 一歩踏み出すことが出来る時代が来ることを期待したいと思います。