コンクリートの強度は化学反応ですので、振動はあまり強度に影響しないので、コンクリート強度については目標を達成することができると思いますが、コンクリート部材としてみた場合、ひびわれなどが発生して、部材としての強度が低下することがあります。
私の経験上では、阪神淡路大震災の時、杭をやり直したことがあります。
但し地震は天災ですので、施工ミスとは言えず、施工者の責任とは言えません。
地震の発生予想はできませんので、その震動がどの程度影響したかを確認する必要があります。
なお、補強など必要になった場合の費用負担については、天災の場合施工業者のミスによるものではありませんし、当然発注者のミスでもありません。
そこで、「軽微(請負金額の何%以内の場合)は請負業者、それを超す場合は発注者の負担」などとか「天災による被害があった場合は両者の協議により費用負担を定める」などと、契約で定めていることが一般的ですので、これも確認した方がよいです。おそらく「危険負担」などの項目に書いてあります。
また状況を推測すると、断定はできませんが震度3程度で、打設後翌日(24時間は経っていないようですね)というとコンクリート強度は数十キロで目標値の1割前後しか出ていません。
加速度は震度3ですと十ガル前後はあったと思います。震度3の上限の25ガルとすると耐震基準で想定している1割弱の地震荷重が発生しています(上部構造がまだないのでその分力は小さくなっていますが)。
こう考えると完全に強度が出た場合におけるひび割れ発生が始まる程度相当の地震荷重が、当日におけるコンクリート強度に対して加わっていることになります。コンクリートの初期の強度発生には気温がかなり影響し、寒ければ遅く厚ければ早くなります。
コンクリート強度の発生具合によっては十分ひびわれの発生が予想できます。
部材強度上だけでなく、コンクリートの材料上、完全に固まっていない状態ですので、ひびわれが発生し、コンクリート部材が一体化していない可能性もありますし、型枠などがずれて変形していることもあります。
また、中の振動時に鉄筋周りに空隙が発生して鉄筋との付着がきれてしまっている可能性もあります。
少なくとも目視による調査・点検を行い状況を確認することをお勧めします。
そして必要に応じて対策と費用見積もり、その費用負担を契約書に基づき打ち合わせてください。