2手目6二銀は、元奨励会3段で今はアマ強豪として活躍しておられる鈴木英春氏が得意とし、「英春流かまいたち」と称しています。彼はこの英春流を数冊の本にしていますが・・基本的に従来の定跡からはずれ、自分の得意な型に持っていくものです。
さて、後手番初手6二銀ですが、先手の初手2六歩に対してこれを指すと先手に無条件で飛車先の歩を交換されてしまいます。また、先手7六歩に対しても飛車先交換を妨害するのは難しくなります。
英春流では飛車先交換を気にせず、低く構えて反撃すると称しています(英春氏自身は動きすぎる自分の性格を直すためにこの戦法を考案したと言っています)が現実には飛車先を交換された損が大きいようです。
ご質問の羽生四冠によるこの戦法の多用ですが、ブームと言われるようなものは起こしておりません。ですから、「ブームが去った」わけでもないでしょう。また、羽生四冠が一時これを使ってみたのは、普通の発想でなくても良さそうなものは何でも取り入れてみるという精神からでしょう。しかし、実戦で差してみたところやはり、損が大きく勝ちきるのは大変であると判断したから採用しなくなったのだろうと思います。
私も差してみたことがあります。序盤で相手を不安がらせ、何をしてくるのだろうという疑心暗鬼に陥らせることはできますが、効果はそれだけです。時間制限のある大会などで、相手が未経験であれば多少は有効ですが、相手に経験があったり時間の多い将棋なら、勝ちきるのは大変です。
こんなもので、よろしいでしょうか。
お礼
ちゃんとした戦法にまでなってるとは全く知りませんでした。 それとプロで指してたのは羽生先生だけだったのですね。 やっぱり飛車先歩交換を避けられない損は大きいのですね。 回答ありがとうございました。