本のカバーと帯について
書店で売っている多くの本にはカバーと帯がついていますが、
本を読んでいる最中、それらがずれてきたり、外れてくるため、
とても邪魔で、読むことに対して集中力がそがれます。
帯は特に邪魔で、すぐにずれてしまい、ずれると元に直しにくいです。
単行本のような小さく柔らかい本にまで、わざわざ細い帯がついています。
自分が買った本ならば、それらを外して捨ててしまえば良さそうですが、
外してみると、一見とても地味な装飾です。
カバーと帯がついている状態と大きな落差があります。
たいていの本の本体の表紙は、淡く地味な一色のみしか使われていません。
活字や模様や写真は、全く無いか、ごくわずかしか入っていません。
ツヤのない紙質だったりして、ほとんど高級感がありません。
鮮やかで印象的なデザインのカバーが付いた状態とは似ても似つかず、
そのままで、読んだり保管しようという気には、なかなかなりません。
こうしてみると、カバーや帯とは、本を守るための「包装」ではなく、
本の、本来の「外見」なのだと言えるような気がします。
本に限らず、身の周りのあらゆるモノについて、
その外見が人の心理に与える影響は大きいと思います。
外見の良いものなら、長く身近に置いておき、眺めたくなるはずです。
逆に悪ければ、遠ざけたくなるかもしれません。
日本の書店の多くの本は、何故あのように、本体の装飾が不細工で、
ずれやすくて不便なカバーと帯が被せられているのか、理解できません。