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精神分裂病の友人への周囲の対応について
こんにちは。 私の友人が精神分裂病だと診断されました。 今までは,うつ病だと思い,病院に通院していたのですが,通院当初より医者の「病名は知らない方がいい」といわれ,病名は知らずに過ごしてきました。 しかし先日,友人本人が医者に聞いたところ,「精神分裂病」と聞かされました。 うつ病については大学の講議などでも詳しく勉強したため理解しているつもりです。 なので,うつ病の方に対しての対応方法はわきまえているつもりなのですが,精神分裂病の方への対応はまったく理解していないというのが現状です。 ですので,精神分裂病のメカニズム,回復過程,主な症状を詳しく御存じの方がいらっしゃいましたら,少しの情報でも結構ですのでお聞かせください。 それと同時に友人として,また周囲の人間はどういう態度で接すれば良いのか?どうしてあげたら良いのかも御教授くだされば幸いです。 どうかよろしくお願いいたします。
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精神医療の周辺従事者です。 「精神分裂病」(今度、名前が「統合失調症」に変わります。)といっても、なにも精神が分裂した状態になるわけではありません。この病気に限って言えば、病名と症状には何のつながりもありません。精神分裂病とは、幻覚、妄想、社会性の低下を主な症状とする病気です。 日本を含めたどの国でも、精神分裂病の発症率は0.8パーセント程度です。100人にひとり弱の率で発症するということになります。想像以上に多い病気です。 幻聴や被害妄想が現れ、人を避けるようになる。しかし本人はその症状が病気とはなかなか理解できない。これが典型的な精神分裂病の発病です。治療しなければまず間違いなく悪化していきます。治療した場合には、比較的すぐによくなる人から、慢性化していく人まで、あらゆるケースがあります。最終的には半数以上の人が治っていきます。 そのメカニズムはドパーミンと呼ばれる脳内神経伝達物質の異常だろうといわれております。あくまで、仮説ですが、このドパーミンを介して働く神経が活動しすぎている「過覚醒」の状態になっていると考えられています。神経のネットワークを情報が駆け巡りすぎている状態といったらよろしいでしょうか。不必要な情報をカットするフィルターの障害とも説明できましょうか。たとえば、普通は、テレビを見ているときに一緒に見ている他の人の振る舞いや部屋の外などでの出来事が気になりませんね。それらの情報をフィルターがカットしてくれていると考えますと、分裂病の急性期状態というのは、患者さんが知らないうちにこのフィルターに破れ目ができ、意志とは無関係によけいな情報が流入してくる状態であると例えることができます。 こうなりますと、例えばふだんなら気に留めないですむ音が妙に敏感になったり、周りの人のしぐさや表情などもやけに気になったりするわけです。「何か特別の意味があるからあの人は笑っているのじゃないか」とか、「何かのサインが送られてくるのではないか」と、疑りぶかくなり、自然と考えてしまうのです。さらに意識を集中しようとしても余計なことが頭をよぎったり、思ってもみないような心配が湧いて来たりして、考えがまとまりません。この状態は、患者さんにしてみると不安をかき立てられる恐ろしい体験です。 このような状況では、人はどうにかして情報の氾濫から身を守ろうとします。閉じこもろうとしたり、「盗聴機がある」「スパイに付けねらわれている」と事態を納得させる理屈をつけたりして、身を守ろうとします。 また、このようなときは人と関わると自分が見透かされたとか、馬鹿にされているとか感じるために、つっけんどんな態度を取って人を遠ざけようとします。 ときには追い詰められたと感じると衝動的な行動に走ったり、興奮して怒りを表したりすることも起きてしまうわけです。 どのように治療するかということですが、第一は、フィルターの破れ目をふさぐ、抗精神病薬を服用することです。第二は、過剰な情報の渦の中で混乱し消耗している患者さんにしっかり休息をとってもらうことです。そのためには、良質の睡眠をとることが大切なのです。医師をはじめ医療関係者は患者さんが眠るとしめたと思います。回復に向かう前兆だからです。眠り過ぎぐらいがちょうどいいのです。第三には、患者さんが受けとめる情報量を減らす工夫をします。一度に行う会話の量も減らします。5つのことを伝えたいときには、一度に言わず、5回に分けて言うという塩梅です。頭をいろいろ使わなければならない、込み入った話も後回しにしたほうがよいのです。 長くなりましたが、周囲の人はどう言う風に接すれば良いのかというご質問ですが、それは、この病気についての知識を持たれることにつきます。そのための、ご本を何冊かご紹介します。 家庭医学のコーナーにある本で、 「分裂病とつき合う」(保健同人社)という薄い本があります。 より詳しい本としては、恐らく精神疾患のコーナーに 「分裂病がわかる本」(E・フラー・トーリー著、日本評論社)という、 分裂病の妹を持つ精神科医が書いた優れた啓蒙書があります。 ぜひ、ご一読下さいませ。 最後に、残念なことですが、日本では、この病気に対する、誤解、偏見、差別が根強いのが実情です。ご友人が、そのために、孤立されないように配慮していただければあり難いです。
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- kussa-
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私も同じ症状にかかったことがあります。余りよく知らない人や馬が合わない人達の中で仕事などをしていて、自分がミスを犯したり、ぬれぎぬを着せられたり嫌な想いをしたりすると極度に精神的に不安定になり家に閉じこもったり逆に暴れ狂ったりしてしまいます。誰も信じられなくなったり胃を痛めることもあります。こういう場合は、本当に親しい人が支えてあげることですね。私も自信をなくしかなりやばい状態に陥っていたところを友人に「私達がいるから大丈夫」と助けられ少しずつ回復していきまいした。普通に接していればいいのですが、「顔色があまり良くないけれど大丈夫?何か手伝えることない?」とか「気晴らしに今度みんなで遊びに行かない?」とかから初めて行けばいいのではないでしょうか?
お礼
早速の回答ありがとうございます。 親しい人が支えてあげることは重要みたいですね。 症状についてはまったくの無知なので,参考になりました。 どうもありがとうございます。
お礼
職場で働いていらっしゃる方からの御回答をいただき感謝しております。 呼び名が『統合失調症』に変わるのは聞いていたのに,忘れておりました。。 医療系の大学に通っているのに,自分の無知さを痛感しおはずかしい限りです。 御回答くださった内容は,今回精神分裂病と診断された僕の友人の親しい友人も参考にさせていただきました。 これから御回答くださった知識を参考にして友人の治療の支援をしていきたいと思います。 どうもありがとうございました。