一時、「法務教官」という少年犯罪の更正にあたる職業に就くことを目標としていたことがあり、いくぶん分かる部分があるので、お答えします。
「少年鑑別所」というのは、罪を犯した少年がどのような理由から犯罪行為に走ったのかを医学や心理学、教育学と言った視点から解明することが仕事です。結果は、家庭裁判所側に報告され、審判に影響します。すなわち、「初犯でなおかつ短期での更正が可能」などといった場合は、「保護観察」などの審判に、「再犯で更正が困難」などといった場合は「中等少年院送致」などの審判になるなど、鑑別所での鑑別結果は、家庭裁判所の裁判官が参考にします。
一方、「少年院」は、家庭裁判所での審判の結果、「少年院送致」が言い渡された少年が入院(違和感がありますがこういいます)する施設です。種類には、「初等」「中等」「特別」「医療」と4種類あって、入院する少年の非行度合いは初等<中等<特別となっています。「医療少年院」は例えば覚せい剤やシンナー等で体に疾患がある場合に入院する施設です。院内では、生活指導や職業指導、義務教育を終えていない少年に対しては「国語」や「数学」といった義務教育段階の教科教育も行われています。
最後に「少年刑務所」は、定義としては「20歳未満の少年を収監する」施設ですが、実際は昨今の刑務所における超満員を受けて、成人も多く収監されています。こちらは「少年院送致」ではなくて、「懲役何年」という審判を受けた少年が入る施設です。あいまいな記憶ですが、上記の2施設と違い、この施設だけは「法務教官」ではなく、一般の刑務所と同じ「刑務官」が更正にあたっていたように思います。
裏話をすると、法務教官は鑑別所>初等少年院>中等>特別・医療の順で赴任したがるそうです。やはり非行の傾向が進めば進むほど、更正も困難になるそうだからです。法務教官も人の子ということでしょうか。
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ありがとうございました。