誤認や誤解が比較的少なくてすむ領土問題のひとつと思われるのが尖閣問題ではないかと個人的には思っています。
1969年の報告で地下資源の可能性に触れられるまで、中国は尖閣諸島を日本領とはっきり認めていました。1970年以前のの教科書には日本領の尖閣諸島として明記されていた様です。しかし資源の埋蔵問題発覚後は方針を転換し、時刻領と定めています。
日本側の領土と中国側の政権が認めていた事例はほかにも幾つかあります。また現在、魚釣島に所有権を持っている個人が存在しており、法務局ではその所有を認めています(管理は海上保安庁)。3番の方が述べられているように、鰹節工場も大正年間にあり、無人島になるまでは明らかに歴代の日本政府が関わっていた証左になるでしょう。もともと誰のものでもない、日本領とは日本が勝手に言っていると3番の方は主張されていますが少なくともこの百年は日本側の領有は認められていると思います。
中国は近年制定された領海法により、自国の大陸棚にのっかっている形の尖閣諸島はもちろん、最近の論調では琉球列島も本来自国領と主張しています。もともとは台湾と韓国が尖閣近辺の資源の領有権を強硬に主張しており、日本を含めた三カ国で共同開発を模索していたのですが、突然中国が非常に強硬に自国領との主張を開始し、問題が複雑化していきます。
小平時代は日本との間では事実上棚上げされていたのですが、海上自衛隊の戦力の現代化が達成されたのとほぼ同じ時期に中国は国内法により尖閣諸島を自国領と定めます。冷戦体制崩壊後、第一列島線とさだめた海域(フィリピンから台湾、琉球、奄美諸島から九州)での海上優位を獲得するため、また太平洋への回廊として尖閣は絶対的に必要との位置付けがなされています。もっとも現在のところ、中国の海上権力は太平洋を恥をさらしながら駆け抜けるのが精一杯ですが(米海軍および海上自衛隊は中国の海上戦力のほぼすべての所在をリアルタイムで補足しています。漢級潜水艦事件参照)。
資源的な問題としては四カ国を中心に紛争が続いています。資源はどの国も絶対的にほしいものでありますが、中国側としては華夷秩序の意識から周辺の領域はすべて自国のものでありそれは正当化されたものだと思っていますから、現在でも世界各地で強硬に自国の主張を展開しています。日本側は政治的な都合や状況から有効な反論がうまくいっているとは言いがたく、海上保安庁や海上自衛隊のプレゼンスによりかろうじて権益が確保されている状態です。
この問題は共同開発という形で解決するのが一番現実的なことではないかと思います。もっとも中国の海上優位を防ぐためには譲歩すべきではないかもしれませんが。民族に上下があるという前提で友好を言い出してくる相手にはこちら側も相当したたかにならなければならないでしょう。事実上の占有を陸上で誰も行っていない現在、そして中国が海上機動部隊を整備し終えるまでの十数年が解決のための最後の時期だと思います。
補足
コピペでスイマセンが… 色々なサイトを見て過去の事実など見ましたが、『占有』という権利で日本の領土として中国側も何も言わずに時は流れていたのに、海底資源があると国連が言った途端に中国側が領土権を主張してきたとの事でしたが…どうなのでしょう?