「secretary of state」のそもそもの出自は植民地時代のイギリスの役職名です。
国王を補佐し、行政を預かる役職が"secretary of state(=国務大臣)"です。イギリスの君主制における大臣ということです。いかなる役割を与えられていても、「国務大臣」となります。e.g. secretary of state for foreign affairs(外務大臣), first secretary of state(首相)
さて、一方のアメリカでは合衆国が誕生したときに、合衆国の外交を司る機関を創設する際、外務省、国務省の前進となる"office of secretary of foreign affairs"を創設し、8年後に再び議会は「外務省(department of foreign affairs)」「外務長官(secretary of foreign affairs)」の形で連邦政府機関として設置する法案を通し、大統領も署名して発行しましたが、以後新たにこの機関と役職に国内の任務に関する重要権限を与え、「国務長官(secretary of state)」「国務省(department of state)」とする法案を通過させました。大統領がこの法案に署名し、以来、「外務省」「外務長官」は国内の重要な権限をも併せ持つ「国務省」「国務長官」となり、長官の中でも最も重要で、大統領に次ぐ役職となりました。それがアメリカの「国務長官(secretary of state)」です
また、アメリカ合衆国では、省庁の長に国会議員を任命することは出来ません。国会議員以外から、大統領が省庁の長官を直接任命し、議会で承認の手続きを経ます。
イギリスの「secretary of state」は国王を補佐する役職(大臣)全般について用いられ、一方のアメリカの「secretary」は大統領を補佐する役職(長官)全般について、中でも重要なのが「secretary of state」ということです
日本の「国務大臣」も英語では"minister of state"となりますが、イギリスの"secretary of state"と同じ意味で用いられます。
お礼
ご丁寧にありがとうございます。 最初は外務長官、その後国内も見るようになったので国務長官。 面白いですね。