まず、「将棋は盤上の駒を動かす」ので「指す」ですからね。「盤の外から駒を盤に移す」のが、「打つ」囲碁がそうですね。将棋も持ち駒は「打つ」ですが、一般的には「指す」なので、間違えないように。
将棋も、持ち時間無制限なら、羽生さんにだって勝てます。羽生さんより寿命と自由時間をたくさん持っていれば、羽生さんが参ったというまで、指さずに考え続ければいいのですから。
なので、普通は持ち時間があります。例え勝ち筋があっても持ち時間の中で考え付かなくてはいけません。サッカーでも、パスが出た瞬間に時間を止めて、全体を見渡せれば、中田並みの好パスが狙えますが、一瞬での判断です。「ちょっと待ったー」なんて叫んでも誰も止まってくれません。
将棋はそれに比べると時間は秒読みといえどもかなりありますが、逆に指すべき手はたくさんあり、その優劣は膨大な手を読んでみないと判明しません。詰んでいそうであっても、詰ましにいって詰まなければ、詰ましにいく手を指した時点で負けを選択したことになってしまいます。だから、時間がないと詰ましにはいけません。そこで、詰んでいるとは思うけど時間的に詰ましには来ないと判断して指すような手が、実践的な手です。もしくは、詰んでいそうだけど、読みきれなくて、受けても勝ちな場合、詰まし損なうよりはと、受けておく様な手です。
相手の実力からして、10分あれば勝ちを読みきられてしまう手でも、相手が30秒の秒読みであれば、読みきれなくて踏み込んだ指し手を選択できないだろうと判断して指すのが、「実践的な手」です。
この実践的な手は終局後に検討され、正解手があるとわかるともう使えません。一度放映された将棋は、まっとうなプロの間では、直後に、知っているべき(常識化した)データベースに変化してしまいます。非常に長手数で難解ではあっても、詰みがあった局面で指した「実践的な手」は、感想戦終了後には「敗着」に変化します。
お礼
分かりやすい解説ありがとう。遠回りでも着実に勝に行く指し方をするとゆう解釈でいいんですよね。