ブランド名です。
ようやく日本でもトヨタが持つトヨタブランドとレクサスブランドってのができて、理解しやすくなりました。
GMは、シボレー、ポンティアック、ビュイック、サターン、GMCなどを束ねる製造会社であり、世の中にGMブランドのクルマは存在しません。
で、そのブランドは、たとえばニッサンで言うとプリンス店、ニッサン店といった具合に、実態は販売店の違いに近いものなのですが、それなりに独立して運営されていたので、ディビジョンと言われておりました。
広い意味ではヨーロッパのオペルも、オーストラリアのホールデンもGMのディビジョンの一つといえるでしょうし、曲がった見方をすると、スズキ・いすゞもそうだといえるかもしれません(実態はともかくとして)。
ただ、現状、北米ではブランドとしての独立性はあまり確保されてないようで、GM北米ブランドでは最古だったオールズモビルはいとも簡単に整理されてしまったり、で、残されたブランド同士で単なる兄弟車をシェアされるだけになってしまっておりますが。
キャデラックは、そのGMが抱えるディビジョンの中で北米の最高級ブランドです。
ニッサンやトヨタがキャデラックを真似してインフィニティやレクサスを立ち上げたわけですな。
ちなみに、ですが、キャデラックは元は独立したメーカーでした。実は、GMの多くの(伝統的)ディビジョンは皆そうでした。
さらに言うと、フォードの高級車ディビジョンであるリンカーンを立ち上げた人物も、同じです。
今回のライブドアショックではありませんが、アメリカでは世紀を超えてM&Aを繰り返していたのでしょう、黎明期の自動車メーカー次々と合従連衡を繰り返し、キャデラックはGMへ、リンカーンはフォードへと飲み込まれたのです。
しかし、飲み込まれたのはこの二つのブランドにとっては幸せだったのかもしれません。
とえば、そう、キャデラックやリンカーンがクラウンクラスなら、ロールスロイスに匹敵する、デトロイトとは別に南部に本拠を構えた超高級ブランド、オーバン/デューセンバーグ/コード・グループは、第二次世界大戦までに消滅してしまいましたし、3Pといわれたパッカード、ピアースアロー、ピアレスもいつぞや歴史に名を残すだけとなってしまいました。
またクライスラーが抱えていたインペリアルブランドも、オイルショックを機にブランドとしては途絶え、伝統的なアメリカの高級車ブランドとしては、キャデラックとリンカーンのみが残るという状況となったのです。
オイルショックを迎えるまでのキャデラック(とリンカーン)は、それは華々しかったなぁ。ボディサイズは当然にフルサイズで2m×6mとか。とにかく豪華で豪華で。
しかし、だからといってロールスなどに比べるとぐっとリーズナブル。
当時のカーグラなんかも、これだけの内容をこんな値段で作れることそれ自体がアメリカの国力であり、また、それがアホみたいに売れることがアメリカの偉大さの象徴である、みたいな、論調だったようですね。
今、キャデラックといえば、先に挙げたように一ディビジョンとしての地位に甘んじており、正直ハードとしてはレクサス/インフィニティには圧倒的に適わないんでしょうが、しかしそのブランド力は輝くものがあります。
いつか、不死鳥のごとく、そして強いアメリカの象徴として復活してくれることを願って止まないです。
ごめんなさいね、熱くなっちゃいました。