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家族法
家族法の勉強中にどうしてもわからない問題がありまして。 夫Aは、C女と関係を持ったため、12年間連れ添ったBと不和になった。Aは家を出て、Cと同棲した。36年たって、Aは、Cと正式に離婚するために、Bに離婚を求めて訴訟を提起した。Bは現在無職で、資産もない。Aは経済的に安定している。Aの離婚調停は認められるか。 家族法に明るい方がいたらお答え願いたいのですが・・・。どうかおねがいいたします。
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- you-ttx
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「有責配偶者からの離婚請求」という問題ですね。 つまり別居の原因を作った側からの離婚請求は認められるかということです。 昔の最高裁はこういう有責配偶者からの離婚請求は一切認めないという立場でした。最判昭和27年2月19日民集6-2-110など、判決文は最高裁のサイトに行って見てみてください。 しかし、最高裁の態度も徐々に変わっていって、昭和62年には有責配偶者からの離婚請求が認められる要件を提示します(最判昭和62年9月2日民集41-6-1423)。ちなみにこの問題の元になった事件であると考えられます。その要件を簡単にまとめてみると、 (1)夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと。 (2)夫婦の間に未成熟の子が居ないこと。 (3)相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれるような事が無いこと。 だいたいこんな感じです。 問題文を見ると(1)、(2)の要件はクリアしていると判断していいでしょう。 (1)の要件では、だいたい10年程度の別居期間で離婚請求が認められているので、要件はクリアしていると考えられます。 36年も別居しているのですからさすがに未成年の子は居ないでしょう。(2)の要件もクリアしていると考えて構いません。 問題は(3)です。 Aの生活は安定しているのに、Bは職も無く資産も無いという状態です。このまま離婚請求を認めると、Bが経済的に苛酷な状況に置かれる可能性がある訳です。よって離婚にあたり、AはBに経済的な配慮をすることが求められます。 ただ、経済的な配慮というのは、離婚後の財産分与とか慰謝料の請求という局面で解決できることなので、離婚請求自体とは切り離して考えることも可能です。 答え方としては、まず昭和62年判決の三つの要件について書いた上で、(1)、(2)の要件はクリアしているとして、(3)の要件については、両者の資力には差があるが、それは離婚後の財産分与や慰謝料の額の算定で配慮が可能であることを書きます。 結論としては、「Aからの離婚請求は認められる」ということになります。 昭和62年判決は是非読んでくださいね。法律のプロ中のプロが書く文章ですから、さすがに説得力があります。判決の日付で検索すれば出てきますので。 最高裁判例集→http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf
お礼
非常にわかりやすくまとめていただいてありがとうございます。ぜひ参考にさせていただきます。