こんにちは。以前、仕事で戸籍事務をしていましたので、その経験から。
今までのお答えされた皆さんの、まとめみたいなお答えになりますが…
まず、ご質問へのお答えから。
>住宅ローンの契約の前に住民票を移動するように言われたのですが、戸籍も移動するんですか?
住民票は住所を証明するもの、戸籍は親族や姻族関係を証明するもので、それぞれリンクはしていますが、違う性質のものです。
今回の件だけでは、移動(「転籍」といいます。)する必要はありません。
>その場合、手続きは役所ですか?
「転籍」したい場合は、現在の戸籍謄本を添えて、役所の戸籍担当課に「転籍届」を提出して下さい。いつでも出来ます。
>主人は長男ですが、今後今の主人の実家で同居することはないので戸籍も移動するべきかとは思うんですが・・・
これは、あなたのライフスタイルによると思います。今後、戸籍を取る機会が多いのでしたら、現住所と同じの方が取得する際に便利です。めったに必要としないなら、そのまま置いておかれた方が、後々のことを考えられたらそのままのほうが良いと、個人的には思います。
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○転籍について
「転籍」につきましては、先にも少し書きましたが、いつでも日本国内どこでも何回でも自由にすることができます。
一方、本人には直接関係ありませんが、その人が亡くなって相続の手続きをするときに、亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍を揃えなければならないという作業が出てきます。人によっては、婚姻前の戸籍と婚姻後の戸籍の2つだけですべて揃う人もいるでしょうし、何度も転籍している人は、それぞれの本籍地でそれぞれ除籍謄本をとらなければならなくなります。
先ほども書きましたが、本籍がものすごく遠いところで、その近辺には知り合いももういなくて、この先もそこには戻らない、極端な話そこには行ったことがない、そして、しかもこれから先もこのままずっとこっちに住むだろうというような場合で、戸籍謄本などが必要な時に不便なので、できることなら本籍を住所と同じこちらに移したいという人は、移す必要が充分ありますから、本籍を移した方が賢明かと思います。「本籍はなるべく動かさないほうがいい」ということを信じて動かすのを我慢することはありません。基本的に転籍はいつでもどこでも何回でも自由にすることができるのですから。除籍謄本を取るのが大変といっても、そういう手続はそう頻繁にあるものではありませんし、あくまでも、動かす必要がなければ、なるべく動かさないほうがいいという程度です。
ただし、デメリットもあります。先ほどの相続の手続きをするときに、亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍を揃えなければならないという作業です。
戸籍は「転籍」されれば「除籍」になり、除籍謄本は1通750円です(今後もっと値上がりするかもしれません)、それが2通3通、あるいはそれ以上になってくるとバカになりません。これも転籍しなければかからない費用です。しかも、除籍謄本は、本籍地のあった役所に行くか、郵便で請求しなければなりませんから、転籍すればするほど手間が増えます。
そして、一番問題なのは、この手続は、「それでもいいんだ」という人が死亡してから発生するんですね。結局、困ると言うか、余計な手間がかかるのは、相続人(お子さん)なんですね。
「何でこんなに戸籍を動かすんだよ!」と、心中怒るのはお子さんと言うことなんですね(笑)。