こんにちは。
(1) モノを作ったりするのにかかる原料の値段があがると、それを原料とする商品の値段があがります。
これが原油など、世の中でとても幅広く使用される原料(生産要素)だと広範囲にわたって物価が上昇します。そしてこれが一定期間継続する状態をインフレといいます。
石油はガソリンなど、交通にかかせないエネルギーとなるので、直接石油を原料とする製品のみならず、飛行機、船舶、トラックなどを利用して輸送している多くの製品にもこの影響は出てきます(コスト・プッシュ・インフレ)。
(2) また、戦後のように、極端に物量が少なく、反対に買い手が非常に多いという場合でも、売り手は値段を上げてきます(ディマンド・プル・インフレ)。
物価水準(全体的なモノの値段)の上昇によって、人々の財布の中身に負担をかけていきます。
(3) それから、もし物価の上昇する速さと程度が金利の上昇速度と程度(物価上昇率を仮にこう説明しておきますが)より上回れば、預金をしていると損しますし、利子、年金、恩給、福祉手当などの定額所得に依存する人々は実質的に所得は減少します。
ただ、土地などの物的資産をもつ人々は、物価上昇率に応じて保有資産の価格が上がるので、かなり恩恵を受ける場合も出てきます。
(4) 貨幣はモノの価値を測る目安になります。
これが、インフレの激化で貨幣の価値がどんどん下がっていくと、貨幣でモノの価値を測ることに意味がなくなります。
○○円あるいは□□ドルといった数字でモノの価値を算定しているのに、変動があまりに激しいと数字での管理が難しくなり、最終的には経済崩壊するといいます。まあ理論上は…ということでしょうが。