楽譜をご覧になったことがありますか?楽譜に書いてあることは音程とリズム、それに「早さ」です。ところが、音程といっても実際には時代によって変わってきていますし、厳密には人によって違う場合もあります。また複数の楽器で合奏する場合、各楽器の音量のバランスや、楽器の音色、それに民謡系のメロディーでは楽譜に表現できない微妙なリズムと強弱がありますし、また、早さもベートーベン以前は「早い」「遅い」という言い方はあっても具体的にどのくらい早いかは見てきたわけではないのでわかりません。
従って演奏者による「解釈」という作業が必要になります。楽譜に書かれていることは俗に演奏に必要な情報の10%くらい(まあ多くとも半分以下)といわれてますが、後の部分は演奏者が作ります。ここに演奏者の個性というものがでてきます。また同じ演奏者でもこの「埋め方」が常に同じというわけではありません。ライブなんかの時は体調や気分や客席の反応なんかでも変化するし、また年齢や共演者の違いでもかなり変化します。また研究の結果解釈が変わったってなこともあります。
まあそれでも近代以降の楽譜はまだ情報が多い方で、バロック以前になると演奏者のアドリブなんて普通にありましたし。モーツァルトなんかでも自分の演奏するパートが書いてなかったり。
もし興味があるのでしたら聞き比べをおすすめします。
お礼
奥の深いものなんですね。聞き比べしてみようかと思います。ありがとうございました。