気道と食道を完全に分離してしまう手術です。(胃や肺といった下側から上がってくると、普通は喉のところでひとつにまとまっています。)
1:第2~5気管輪の部分の気管を切り取る。
2:切ったところの上側を塞ぐ。
3:切除部位に「永久気管孔」という穴を喉前側に作る。
この手術をおこなう事よって、食べ物や唾液が、気管・肺に流入しなくなります。
但し、「食道入り口の高さ~切り取って孔を塞いだ部分」までがポケット形状に残ってしまうので、そこに唾液等が溜まってしまうという短所があります。(場合によってはその溜まったモノを外部に出すために「唾液ろう」という小さな孔を別に開ける必要があるかもしれません。)
余談ですが、これを起こさないようにするための「喉頭摘出術」というモノもあります。これは、咽頭気管分離術よりも上の部分(気道・食道の分かれる所~第2気管輪)まで取り去ってしまう手術です。
咽頭と気管を分離すると、生来的な自然な声は出せなくなります。(←必要があれば「人工咽頭」や「スピーチカフ」で対処出来るかも知れません。)
でも、誤嚥による肺炎などのリスクはかなり減らす事が出来ますので、必要な方の場合には生命予後を良いものにします。
以上簡単ですが、ご参考まで