注) 以下の意見は、決して通り魔の行動を正当化しているわけではありません
人間には、睡眠欲、食欲、性欲の生理的な三大欲求をはじめとする五段階の欲求があるという説があります(マズローの欲求段階説)。
その中のひとつに自我の欲求と自己実現の欲求というものがあります。全ての人間は、自分という存在を確認したいという欲求を持っており、それができなくては生きていけないのです。
普通の人間は、日常の活動の中で何か仕事をやり遂げたり、他の人にそれをほめられたりしてこれらの欲求を満たしています。しかし、仕事がうまくいかなかったり、ほめてくれる人がいなかったりするとだんだん常軌を逸した形でこれらの欲求をかなえようとします。
通り魔のうちの一部はこうした欲求をかなえるため、彼らからすれば自分が自分であるために通り魔のような犯罪を犯しているのではないかと思います。
我々からすると、どういう目的なのか、他人を傷つけてまでかなえなくてはいけない目的なのか、理解に苦しむところがありますが、彼らからすると自分が自分であるために必要な行為なのではないかと思います。
もちろんそれはその人にとっての都合であり、傷つけられる側からしてみればたまったものではありません。私もそれを容認するつもりはありません。
しかし、私もあなたも現在の日常生活で得られているような満足感を得られなくなった場合、そして自分が自分でいられなくなるまで追い詰められた場合には通り魔のような行動に出てしまうのかもしれません。
通り魔のような行動をとる人間が、我々とはまったく違う生物であるかのように取り扱うのは、どうか、と思っています。
繰り返しますが、これはただの分析であって、通り魔などの行動が正しい、とか認めるべきである、とか正当な権利である、とか言うつもりはまったくありません。