好きな作品をいくつか。
『ファイア・フォックス』『ファイア・フォックス・ダウン』クレイグ・トーマス
ソ連が開発した最新鋭秘密兵器ミグ31「ファイア・フォックス」を奪取するためモスクワに潜入したエージェントが、ミグ31に乗って脱出をはかる。次々と襲
い来る危機をかわして、果たして無事に西側へ脱出できるかという、航空冒険小説の大傑作です。迫真のカーチェイスならぬエアチェイスが読みどころです。
『超音速漂流』トマス・ブロック(ネルソン・デミル)
高々度でジャンボジェットが事故に遭い、酸素欠乏症で乗客の大部分が廃人となる。生き残った者が何とか生還をはかろうとするが、航空会社は今後の補償問題を考えると全員死んでもらった方がありがたいと判断し、飛行機を落とそうと画策するという航空サスペンス。最近、現代のテクノロジーにあわせて改訂した新版が出ました。
『飛越』ディック・フランシス
元イギリスのチャンピオンジョッキーであるフランシスの「競馬シリーズ」の1冊。競馬に興味のない人にも読んでもらいたい名作シリーズです。競走馬の空輸会社の馬丁をつとめる貴族が、競馬の空輸に絡む陰謀に気づき、敢然と悪に立ち向かうというフランシスらしい逸品。特に大戦中空軍のパイロットでもあったフランシスの描く航空シーンは絶品です。
フランシスにはもう一つ『混戦』というパイロットが主人公の作品がありますが、こちらは出来がいまいちです。フランシスなので、いまいちといっても並みの作家よりは遙かに面白いですが。
『ちがった空』ギャビン・ライアル
元パイロットでもあるライアルの処女作。いつか大型機旅客機のパイロットを夢見ながら、弱小空輸会社で働くジャックに持ちかけられた秘められた財宝の謎をめぐってエーゲ海や北アフリカ目指して飛ぶというロマンあふれた航空冒険物。軍払い下げのオンボロ輸送機ダコタ(ダグラスDC-3)がこんなに魅力的に描かれた作品は他にありません。
同じ作者の『本番台本』もかなり面白いです。また、『最も危険なゲーム』ももの凄い大傑作ですが、パイロットが主人公ではあるものの、航空ものとして見るとちょっと弱いかな。
『大空のサムライ』坂井三郎
太平洋戦争中の日本のエースパイロットだった坂井三郎の自伝です。日本の戦記小説の傑作の1つでしょう。世界的にもベストセラーになりました。零戦と共に闘った魂の記録で、何度読んでも読むたびに熱くなりますね。
お礼
わぁ、とても詳しいご回答ありがとうございます! 特に『ファイア~』と『飛越』に魅かれました。飛行機の躍動を感じたかったので、エアチェイスはかなり魅力ですね。 頑張って全部読んでみようかな…