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著作権の切れた映画や楽曲の改変・流用について
著作者の死後一定期間経過した著作物は、パブリックドメインとして公共の財産となるそうですが、この著作権の切れた映画や楽曲を流用して、(悪く言えば「パクって」)自分のオリジナル作品を作成すると問題になりますか? たとえば流用している度合いがおおむね半分以下ならOKとか基準があるのでしょうか。
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回答としては、「禁止されています」ということになると思います。 著作権の切れた著作物は、確かに著作者やその遺族に使用許諾をとらずに自由に使えます。 しかし、著作者人格権というものが、著作権とは別が存在するので、著作者が生きていたとしたら認めていないと思われる使用方法(勝手にパクって自分のオリジナルだと発表する等)は禁じられています。 国内法令>>著作権法 第二章 著作者の権利 >>第五節 (著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護) 第六十条 著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。 ↓ http://www.cric.or.jp/db/article/a1.html#2_5 ※社団法人 著作権情報センターより また、著作権の消滅は、何でも著作者が死亡してから50年という訳ではなく、例えば、映画は公表されてから70年で著作権が切れます。 ↓Home >> 著作権Q&A >> はじめての著作権講座 >>著作権の保護期間はどれだけ? http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime3.html それから、海外作品を日本で使う場合は、ベルヌ条約によって日本の法律に従うことになります。 しかし、第二次世界大戦で日本と戦った連合国の作品については著作権保護が中断されているので、日本の法律の保護期間よりも10年程長くなるそうです。 ↓これだけは知っておこう!音楽著作権>レクチャ>#7著作権の状態「外国曲」 より http://www.music-eclub.com/lesson/koreshiri/lecture07.php
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- palpal_jk
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>著作権の切れた著作物は、著作者やその遺族に使用許諾をとらずに使るが、その利用方法が自由なのではない。 はい、とりあえず、そういう意味に解していただいて語弊がないと思います。 >著作権の切れた楽曲を詰め合わせたCDが販売されていたり、名曲「エリーゼのために」を編曲して「キッスは目にして」が作られていますが、問題ないんですよね? まず、著作権が切れた楽曲を詰め合わせたCDを販売することですが、音曲自体については先に述べましたように著作権法上の各種人格権を年代の積み重ねを考慮した守るべき限度を守って販売する分には問題になりません。(その経時変化を考慮した守るべき人格権的側面は具体的にここまでと言う線引きは決して明確なものではありません。しかしながら、例えば、言語の著作物においては旧かな遣いの 文章を現代かな遣いに変更する行為や、古くなった絵画や彫刻を補修する行為などは経時変化による守るべき人格的側面の減少がなくとも可能であるといわれています。) 次に名曲「エリーゼのために」を編曲して「キッスは目にして」等の編曲行為ですが、この行為が問題となる一つは同一性保持権侵害にあたる場合は問題があると思います。 しかし、質問者さんもご存知のように著27条の翻案権(編曲含む)に規定される行為を行ったところで、必ずしも同一性保持権侵害の問題を生じるわけではないことと同じように、失効した翻案権に相当する行為を行ったところで、必ずしも、同一性保持権の問題を生じるわけではありません。具体的にはその編曲作業が同一性を大きく損なう(例えば明るい曲を暗い曲にする等)場合にはそれが経時的側面を考慮した守るべき人格権の範囲を逸脱するときには罰則の対象となることもあります。 >そこで、たとえば「運命」のあの有名なフレーズだけを自分の曲に含めたらNGなのか思ったのですが、 これまでの回答から、著作物を作者のものとしてそのまま使うのはOKで、それを自分の作品に使うことはNGと考えていいでしょうか。 著作権、著作隣接権が失効した著作物に関してはそう考えて差し支えないと思います。 >(そうなると、新しい楽曲で使えるメロディ(音符の組み合わせ)は年々減っていくということ?余談です。すみません) 楽曲の組合せが有限であるという前提にたてば、質問者さんが作曲したとして発表できる曲の組合せの数は年々減ってくるということも出来ます。しかし、先の守るべき人格権の経時的減少及び、著作権が相対独占権である(つまり、質問者さんが他人に依拠せずに独自に著作物を創作したときには他に全く同じ著作物があったとしても、質問者さんの著作物となる)という観点から見れば、その組合せの数は変わらなのかもしれません。また、楽曲の組合せが無限だとしたら・・以下省略します)
- palpal_jk
- ベストアンサー率53% (34/63)
まず、パブリックドメインという言葉には色々な意味がありますが、厳密な意味においては著作権にパブリックドメインはありません。 そもそも、パブリックドメインとは「公衆の自由になった独占的支配権」という意味なのですが、その意味からすると著作権、著作隣接権の保護期間の満了したものをいいますが、著作権法には他の知的財産法とは違い著作人格権、実演家人格権というものが存在します。著作権法に存在するこの○○人格権というものの保護期間に条文上では終期がないのです。だから著作権、著作隣接権の満了した後においても、著作権・著作隣接権で保護されていたものを使用するときには 著19条 氏名表示権 著20条 同一性保持権 著90条の2 (実演家)氏名表示権 著90条の3 (実演家)同一性保持権 著113条6項 名誉・名声保持権 等を侵害しないように注意しなければなりません。 しかし、著60条但書、著101条の3を見てもわかりますように、時間の経過(年代の積み重ね)と共に、その守らなくてはならない著作人格権、実演家人格権の程度の相対性は低下してくると言われています。 この場合の罰則としては著120条があり、この罪は他の大抵の著作権法の罰則規定と違い親告罪ではないことに注意が必要です。 (氏名表示権) 第十九条 著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。 2 著作物を利用する者は、その著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示することができる。 3 著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる。 4 第一項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。 一 行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示するとき。 二 行政機関情報公開法第六条第二項の規定、独立行政法人等情報公開法第六条第二項の規定又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第六条第二項の規定に相当するものにより行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物の著作者名の表示を省略することとなるとき。 (同一性保持権) 第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。 2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。 一 第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項又は第三十四条第一項の規定により著作物を利用する場合における用字又は用語の変更その他の改変で、学校教育の目的上やむを得ないと認められるもの 二 建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変 三 特定の電子計算機においては利用し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において利用し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変 四 前三号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変 (氏名表示権) 第九十条の二 実演家は、その実演の公衆への提供又は提示に際し、その氏名若しくはその芸名その他氏名に代えて用いられるものを実演家名として表示し、又は実演家名を表示しないこととする権利を有する。 2 実演を利用する者は、その実演家の別段の意思表示がない限り、その実演につき既に実演家が表示しているところに従つて実演家名を表示することができる。 3 実演家名の表示は、実演の利用の目的及び態様に照らし実演家がその実演の実演家であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるとき又は公正な慣行に反しないと認められるときは、省略することができる。 4 第一項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。 一 行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演につき既にその実演家が表示しているところに従つて実演家名を表示するとき。 二 行政機関情報公開法第六条第二項の規定、独立行政法人等情報公開法第六条第二項の規定又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第六条第二項の規定に相当するものにより行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演の実演家名の表示を省略することとなるとき。 (同一性保持権) 第九十条の三 実演家は、その実演の同一性を保持する権利を有し、自己の名誉又は声望を害するその実演の変更、切除その他の改変を受けないものとする。 2 前項の規定は、実演の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変又は公正な慣行に反しないと認められる改変については、適用しない。 (侵害とみなす行為) 第百十三条 6 著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。 第百二十条 第六十条又は第百一条の三の規定に違反した者は、五百万円以下の罰金に処する。
補足
すみません、厳密に、となるとますますわからなくなってしまうのですが、次のように考えればよいのでしょうか? 著作権の切れた著作物は、著作者やその遺族に使用許諾をとらずに使るが、その利用方法が自由なのではない。 それと「パクって」には語弊がありました。 著作権の切れた楽曲を詰め合わせたCDが販売されていたり、名曲「エリーゼのために」を編曲して「キッスは目にして」が作られていますが、問題ないんですよね? そこで、たとえば「運命」のあの有名なフレーズだけを自分の曲に含めたらNGなのか思ったのですが、 これまでの回答から、著作物を作者のものとしてそのまま使うのはOKで、それを自分の作品に使うことはNGと考えていいでしょうか。 (そうなると、新しい楽曲で使えるメロディ(音符の組み合わせ)は年々減っていくということ?余談です。すみません)
- joy-net
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No1です。追記します。 ちなみに、著作者人格権とは 【公表権】 自分の著作物で、まだ公表されていないものを公表するかしないか、するとすれば、いつ、どのような方法、形で公表するかを決めることができる権利 【氏名表示権】 自分の著作物を公表するときに、著作者名を表示するかしないか、するとすれば、実名か変名かを決めることができる権利 【同一性保持権】 自分の著作物の内容又は題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利 であり、 『著作者人格権は、著作者だけが持っている権利で、譲渡したり、相続したりすることはできません(一身専属権)。この権利は著作者の死亡によって消滅しますが、著作者の死後も一定の範囲で守られることになっています。 』 となっています。 ↓著作者にはどんな権利がある? http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html ここで言う一定の範囲というのが、「人格的利益の保護」となる訳です。 だれだって自分の作品が、半分近くパクラれた上で盗作者のオリジナル作品だと発表されたら、権利の侵害だとおもいますよね? だから禁止行為なのです。しかしこれにも制限があります。 例えば、「同一性保持権」と言っても、 著作物の著作権が切れたと同時に作品を改ざんして自分のものとして発表すれば、誰もが眉をひそめるでしょう。 しかし、著作権が切れた後、かなりの経過があった上でなら、逆にそれは、オマージュ作品として世に認識されるかもしれません。 この問題は、法律自体があいまいで、明確な線引きができないので難しいのですが、自分が実際に何かすばらしい映画や楽曲を作ったとして、自分の死後、それをどう扱われたいのか考えてみることをお勧めします。 基本は、No1でも書きましたが 『その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。』 です。 ↓著作者にはどんな権利がある?
お礼
大変勉強になりました。 ありがとうございます。