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「ひまわり」を見ていつも思うこと
デ・シーカ監督の「ひまわり」が大好きでずい分繰り返し見ました。 で、良く考えることなのですが・・・ もしアナタがマルチェロ・マストロヤンニだったとすれば・・・幸せな結婚生活の真っ最中に、かつて愛した妻を見て突然記憶が戻り、全てを理解してしまったとしたら・・・ アナタだったらどう考え、どう行動するでしょうか? 出来れば男性の声が聞きたいです。 宜しくお願いします。
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「ひまわり」は自分も大好きな作品です。機会がある度についつい見てしまいます。質問の内容ですが、まず一番問題になるところは、「かつて愛した妻を見て突然記憶が戻り、全てを理解してしまったとしたら・・」なんです。自分の認識では、マストロヤンニは、記憶喪失ではなくて、すべてを覚えていて、承知した上でロシアで生活をしていたのではないかと理解していました。戦地に行き、生死をさまよい、一度は死んだも同然の状態で、その命を助けてくれたロシアの女性マーシャの献身的な愛を感じた彼は、イタリアに妻を残していることを承知しながら、イタリア人である事を隠しながら、ロシアで暮らしていたのではないでしょうか?普通に考えれば、自国に最愛の妻がいるにもかかわらず、戦争が終わって生きているにもかかわらず、帰って来もせずに、外国で他の女性と結婚生活を送っているなどということは、不謹慎というか女性にとっては許せないことと思うかもしれません。しかし、彼は別に観光でロシアに行ったわけではないのです。彼は戦争に行って、生死の狭間を経験してしまったために、その精神状態はひどく傷つけられたのだと思います。気持ちの上では、イタリアに帰り、妻とまた幸せな生活をしたいとどんなに思ったでしょうか。でも出来ないのです。それほど、戦争というものは人の心身を傷つけるものなのだと思います。たとえ肉体は帰っても、2度と戦争に行く前と同じ精神状態で生活することは困難なのです。(この辺りの感覚は、フランス映画で「かくも長き不在」という作品に良く描かれています。) 戦争を題材にした作品、あるいは戦時中の話が良く小説や映画になるというのは、いわゆる極限状態に置かれた人間というものは,その本質、つまり人間の持つ強さとか弱さとかが、明確に現れるからだと思います。 「ひまわり」の話に戻りますが、妻に再会してから悩んでいるマストロヤンニを黙ってイタリアに見送るロシアの妻も、イタリアの駅のホームで涙して見送るローレンも、お互いに嫉妬とかいう感情をもう超えて、戦争によって狂わされた運命を恨みながらも、それを受け止めなければならない切なさに耐えているわけで。ましてやその間に挟まれている男はもっとつらいわけで。つまり、この場合は単純な男女間の男気の話ではなく、選択の余地は無いのだとおもいます。いかに戦争というものが様々な副産物を生み出し、おそろしいかということです。現在、日本が外国と抱えている問題が多くの根源が、かつて行われた戦争である事が、それを証明しています。
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- kigurumi
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実際日本にいますよ。 テレビで見ました。 ロシアに出征して現地のロシア人と結婚して、どういういきさつだったか忘れましたが、奥さんは独身を貫き通しているとわかり、何かがあってご主人は日本に帰れることになったんです。 数年前の話しです。 その時、ロシア人の妻は夫に「絶対に日本に帰れ 自分はどうにかこの地でやっていくから 心配いらない」って気丈のふるまうんです。 ご主人は「やっぱり長年私を全身で愛し尽くしてくれたお前を捨ててはいけない」って帰国を取りやめようとするのを、奥さんは懸命に説得に説得を重ねるんです。 それが自分の一番の望むことだって。 貧乏で、二人で働いてなんとかやっていけていたのに、老体の妻だけ置いて帰国なんて見殺しにするようなものだとご主人は苦しみました。 何より 日本の奥さんとは数年だけ一緒に暮らし、人生の大半はロシアの妻と暮らしてきたんですから。 ご主人は奥さんを説得することができず、日本に帰国しました。 その後 何度かロシア人の妻は日本にやってきて、夫婦に歓迎されました。 若い頃 離れ離れになった夫婦が駅のホームで再会したわけですが、年老いた妻は目をサラのようにして電車の中を食い入るように見て、ある老人の面影にご主人に違いないって直感し、走りよってギュっと抱きしめました。 ご主人は奥さんにキスの嵐。 テレビ局のスタッフ達は泣いていました。 戦争によってこの良心的な3人は翻弄され引き裂かれました。 そしてどっちかを取るとどっちかが不幸になる。 ロシア人の妻の愛 すごいって思いました。
お礼
えーっっっ そんなテレビ番組があったんですか~??? 見たかったなぁ・・・ ロシア人の奥さんの愛の行動、読んでいるだけで泣けました。 こういう事実を少しでも多くの人に知ってもらいたいですね。 書き込みありがとうございました!
お礼
ていねいな回答をありがとうございました。 読ませて頂き、改めて戦争というものの残酷さを思い知らされた気分です! 最初の方に「記憶喪失ではなく・・・」と書かれていたので(ハタ?)と考えました。 もしかしてずっと思い違いで観ていたのかもわかりません。 今夜あたりレンタルビデオ屋さんに行ってこようと思います。