まず、街頭募金を主な財源としているNGOというのはほとんどない、ということは覚えておいてください。NGOは組織としてずっと存在し続けるものですから、そんなことを年間通して行うのは不可能なのです。逆に言えば、いつも派手に街頭募金をやっている団体は、下の方が書かれているように、怪しい、ということです。
NGOの街頭募金はどんなことが起きているのかを世の中のたくさんの人に知らせ、その人達の善意の気持を募金という形で掘り起こす、という目的で行うのがほとんどです。
本当のNGOの資金源は多様です。財団などの補助金、一般の人や会社、労働組合からの寄付金、政府系の資金、途上国製品の販売による売上げ、などなどです。一般的には、NGOスタッフの給与はこういうところから出ています。
ただ、援助プロジェクトを行う場合、街頭募金をしたとして、その中に給与が含まれていることはあります。
たとえば「途上国」で、分かりやすく井戸を掘るプロジェクトをやるとしましょう。その費用としてかかるのは、材料費、現地で働く人(日本人や現地の人)の給与、交通費、食費、事務費、連絡費などがあります。いくらボランティア的にやるとしても、生活ぐらいは支えなければできません。
そして、それだけではきちんとしたプロジェクトはできません。プロジェクトがきちんと進行しているか、日本側でもチェックしなければなりません。領収書をチェックし、きちんと支出されているか調べ、経理を整理します。寄附をしてくれた人や組織への報告書を出します。ニュースレターなどもつくります。報告会をやるには会場費や人件費がかかります。
これはプロジェクトの経費の一部ですよね。そして、ある程度以上の規模のプロジェクトなら、こうした事務を専門にやる人が必要になってきますよね。
ごく一般的にいえば、プロジェクトをきちんと遂行するためには、2割程度はそうした経費に回さなければいけません。
こういう意味では、「募金が給与になっている」という言い方もできなくはありません。