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竹島と北方領土
竹島と北方領土はそれぞれ、韓国とロシアに実行支配されていますが、国際法上、または、世界の人々から見て、どこの国のものなのでしょうか? 日本の主張は、十分存じてますので、日本の主張については、回答いただかなくて結構です。
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日本以外の国で発行された地図を見ると、北方領土はロシア領扱いにしているものが多いですね。No.11の方が例に挙げていらっしゃるような但し書きがあればまだよいのですが、大抵の外国製地図は何の説明もなく納沙布岬のすぐ東から知床半島の南側にかけて国境線を入れています。私の手元でちょっと変わっているのはTHE TIMES ATLAS OF THE WORLD (1972, London) で、歯舞、色丹のみ国境とは異なる点線で区切られ、Occupied USSR(ソ連が占領)と書かれています。対して国後、択捉はロシア語の綴りに合わせて Kunashir、O.Iturup (O. はオーストロフの略でロシア語で島と言う意味)と書かれ、完全に当時のソ連領扱いです。また、択捉島には紗那という町があるのですが、この町も当然であるかのようにロシア側の呼び名であるKuril'sk(クリリスク)との表記になっています。 北方領土がロシア側にとって都合よく書かれやすいのは、現にロシアが実効支配していることもあるでしょうが、国際社会がいまだに「戦後」構造を脱していないことの現れでもあるように思います。 第二次大戦後の世界を実質支配してきたのは、ロシア(当時ソ連)を含む戦勝国である連合国側ですから、敗戦国日本の主張には耳を傾けられにくいのでしょう。当然、米英の立場としても、いかに冷戦の宿敵ソ連が理不尽な占領をしているとしても、一応は共に世界を支配する「仲間」ですからそれをとやかくは言わないわけです。この点、カシミールやイスラエル・パレスチナなどが多くの国の地図で中立的に扱われることが多いのと対照的です。インド・パキスタンともに元英国支配下の植民地でしたし、イスラエル・パレスチナも英国の二枚舌外交が問題をより複雑にしてしまいました。連合国陣営としては、本音はともかく表向きどちらにも肩入れできません。 私の手元にはソ連発行の地図と現ロシア連邦発行の地図もあります。北方領土は言うまでもなく自国領扱いされています。ついでながらソ連時代の地図には韓国さえ載っていません。朝鮮半島には1国しかなく、首都はピョンヤンです…。ドイツは東西共にしっかり書かれているのですが。 竹島ですが、小さな無人島ということもあり、諸外国での認知度は低いです。地図に記載されている場合でも、多くは日本海に国境は引かれておらず、どちらともとれるようになっています。上掲のTHE TIMES では、珍しく Take-shima (Liancourt Rocks) とあり、暗に日本領であることを認めているように見えます。 係争中の領土が、世界から見てどこの国に属するとみなされているかは、国それぞれの立場があり、一概には言えません。トルコ発行の地図にしか載っていない 北キプロス、最近まで中国発行の地図に載っていたシッキムなど、「独立国」でさえある国では無視され、ある国にとっては存在するという世界不統一の概念なのです。バチカンが最近まで台湾政権を中国全土の代表政府として承認していたことは有名です(現在は北京政府を承認)。 外交上の駆け引きでは、本音は別にあっても余計なことは言わぬが花です。国際社会では、日本よりもロシアのほうがはるかに「敵にまわすと厄介な相手」とみなされていますから、「おとなしい」日本にわざわざ気を遣ってまで択捉島とウルップ島の間に国境線を引いた地図を発行する国はまれです。北方領土を本気で取り返すつもりがあるなら、ロシアに返せというだけではなく、世界で発行される地図の大半が北方領土を日本領として(せめて中立的に)扱うようになるまで、日本の外交政策を強気にしなくてはならないでしょう。今のなめられたままの日本では絶対無理です。
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