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フジテレビが株式交換でニッポン放送を子会社化しなかった理由は?
今回、フジテレビはTOBという手法を利用してニッポン放送を子会社化しようとしたから、TOB期間中にフジテレビが市場で事実上株式の売買が自由にできなくなる弱みに付け込まれてライブドアに横入りされたわけですが、そもそも、なぜフジテレビは株式交換でなくTOBという手法を選択したのでしょう? 友好的なM&Aなら、普通はTOBより株式交換のほうが一般的だと思うのですが・・・。一般的に株式交換のほうが低コストでできますし。 ライブドアが大株主になる前なら、株主総会での特別決議もさほど心配する必要がなかったと思います。 フジテレビが株式交換をやらずにTOBにしたのは、法的観点から、何か理由があるのでしょうか?
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- graninger
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No2です。回答が遅くなりました。 特定株主からの自社株買は、定時株主総会決議を条件に法的には可能です(商法210条第2項2号)。現在は定時総会ですが、改正により「定時」は必要なくなりますが。 「N社のもつフジテレビ株式のみを買取ればよかった」の趣旨は、必ずしもフジテレビ自身で買取ることを意味しません。(N社を親会社としない)他のグループ企業や取引先による買取りでもいいでしょう。
- nikuudon
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自社株買いのためのTOB、を行なう目的のうち大きなものは、株式価値の向上だと思います。 金庫株取得決議(定時総会)で想定していた金額・株数がその後の株価変動により、想定を超え TOBの発動中止や不発となることはあります。が、しかし、株式価値の向上、という意味で言 えば、敢えて自社株買いをする必要性が薄れた、とも考えられ、失敗、とひとまとめで言えるか どうかは難しいところです。 >株式交換が株価変動リスクの影響を受けない 株式交換の取締役会決議(プレスリリース)→臨時株主総会の基準日設定→株主総会特別決議 までの間に1ヶ月近いタイムラグが生じます(根回しに必要な時間を考えればもっと時間がかかります)。 今回のLD社のように間隙を突く相手からすれば、十分な時間があります。 TOBのようにプレミアムが付いた株価水準になりませんので、LDも買い易い価格と なったかもしれません。 上記タイムラグの間にN放送の市場価格が高騰してしまえば、交換比率そのものを見直 す必要に迫られます。その場合、買収金額の上昇ではなく交換後のフジの株主構成自体 に影響が及ぶため、外国人持株比率や村上Fの持株比率の問題がフジを直撃します。 >結果としてこういう状況になったのですから、妥当な選択肢だったとはいえないの じゃないかと思います・・・。 今の時点でN放送を完全子会社化しようとした場合には、TOBが一番マシな手法で あった、ということだと思います。 昔からN放送は他社買収の標的にされてきた訳ですから、事前に買収防衛策を練って 置く必要があったのですが、フジ・N放送ともこれを選択しませんでした。 本来であれば、N放送の増配→高株価策、N放送役員半数の改選時期を1年ずらす、 N放送に集中しているグループ株式の分散など、予め準備しておけばこういう事態に はならなかったと思います。 そもそも論でいえば、それほど大事なN放送を上場させてしまったところに問題がある と考えます。 まあ、いずれも今だから言えることでしょうが‥。
- nikuudon
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#3、5、6です。何度もすいません。 ちょっと論点がずれてきたようですので、整理をさせていただければ、と思います。 >TOBでは結構失敗することはままありますよね。株式交換の場合は失敗するとダメージが大きい‥? TOBが失敗するケースはそんなにないと思います。外資系ファンドがTOBを仕掛けたが結果的に集まらず、 なんてケースがありましたが、その外資は高値で売り抜けたので事実上は成功といえるでしょう。 このようなケースを除けば、殆んどのTOBは成功しているはずで、友好的TOBの失敗、という のは国内ではIDCに次いで2例目ではないでしょうか? 話が横道にそれてしまいました。 TOBでも株式交換でも、失敗に終われば風評まで含めて様々なダメージがあると思います。 そういった意味ではどちらも同じ、と言えるでしょう。 ただ、今回の場合はいずれが成功確率が高いと予想できたか、ということであり、やはり 外国人株主の反発や自社の外国人持株比率の上昇が予想され、また交換後のフジ株式の売り 圧力が高まる可能性のある株式交換よりも、TOBで一旦「カネで解決し」、2/3以上を 確保したところで、株式交換による100%子会社化を目指す、というのが成功確率からし ても妥当な選択肢であったと思います。
- nikuudon
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#3、5です。 >株式交換を発表した企業で、株主の反対が強く実行できなかったというケースはほとんど >耳にしたことがないような気がします。 >もし実際に株式交換が株主総会で否決された有名な事例があれば教えていただけませんか 否決された有名な事例は見たことがありません。 実際には例があるのかも知れませんが、少なくとも対外的にニュースになるような大企業 においては、ないみたいです。 これは、株式交換をするにあたって、事前に周到な票読みをした上で、出来る、となった 時点で株式交換を発表するからです。発表したけれど出来なかったでは、シャレになりま せんから。 本件の場合、TOB前ではやはり特別決議を通すだけの票読みが出来なかった、というこ となのだと思います。 よって、TOB後に「場合によっては」株式交換を行なう可能性がある、と表現している のだと思います。
お礼
何度も回答をいただき誠にありがとうございます。 >これは、株式交換をするにあたって、事前に周到な票読みをした上で、出来る、となった時点で株式交換を発表するからです。 >発表したけれど出来なかったでは、シャレになりま せんから。 しかしTOBでは結構失敗することはままありますよね。株式交換の場合は失敗するとダメージが大きい、というのは何か特別な理由あってのことなんでしょうか?
- nikuudon
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#3です。 #4の方の意見も大変参考になりますが、一言だけ言わせてください。 フジテレビは当初のTOB条件で取得株数に上限を付けていませんでした。 公告の中で上場廃止になる可能性も示唆していました。 そしてTOB後に株式交換などを行ない100%子会社にする可能性も示唆していました。 これは、敵対的第三者からの防衛を行なうために、100%に限りなく近い株式 支配を行い「自動的にN放送を上場廃止にする」ことが目的であったためです。 よって「全株交換(取得)による取得コスト上昇」は、フジは当初より折込済み であったと考えます。 よって、コスト高という点において株式交換は選択肢になかったというのではない と考えます。 ここからは一般論ですが、敢えて非公開化する戦略を「ゴーイングプライベート」といいます。 非公開化することで、公開企業では出来ないような大胆な企業再編や資産の異動が可能となります。 ただ、むやみやたらに非公開化はできませんので、敢えて公開基準を満たさなくなる状況を作り、 自動的に非公開化にする、ということを行ないます。 また、非公開化しても一般株主が残っていると大胆な企業再編などを行なう障害になります。 よって、極力100%支配を目指してTOBを行なうことになる訳です。
- QuiQuiQuiRin
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Mファンドがフジ大株主になることを避けたかった、という意見には同意いたしますが、皆さんとは少々違う観点で述べます。 さて、現行商法上の株式交換制度は、そもそも「自社株を用いて、相手会社を完全子会社化する制度」です。TOBなどの現金買収と異なり、部分的な株式の取得は出来ません。 同制度は、100%子会社化が一気にできかつ税制上の優遇が受けられるなどのメリットがある反面、デメリットとしては、交換の対価となる自社株を自社株買い、増資などで用意する必要があること(自社株の価格変動要因になる)、被交換会社が自動的に上場廃止になってしまうこと、本来持ち株比率の上昇による実質的支配で十分であったのに、全株交換により余計なコストが嵩むこと、などが上げられます。 「合併か、TOBか、株式交換か、営業譲渡か」という選択肢は、2社が実質的に1社になる際に議論されるものであって、今回のように完全子会社化しようとまで考えていない場合は、そもそも株式交換という選択肢はなかったものと思われます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 No5さんがおっしゃっているように、私も本件においては、資本関係のゆがみや複雑さを解消するために、そもそも上場廃止を踏まえて完全子会社化するつもりだったんじゃないかと思いますが・・・。 いずれにせよ自分が支配株主なら、連結で考えれば株主は同じですよね。60%持ってようが、株式交換で100%にしようが。
- nikuudon
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M&Aビジネスをしているものです。 基本的に#2の方のご意見に賛同します。 付け加えるとすると、法令上外国人持株比率が20%を超えた場合、放送会社はその免許が取り消 される恐れがあります。 但し、放送会社は外国人の持ち株比率が20%を超える場合、名義書換を拒否することができます。 しかしこれは、あくまで外国人が自らの意思で株式を取得した場合であり、株式交換など会社側の 都合で為した行為の結果、20%を超えるような場合には果たして会社(フジ)はその名義書換を 拒否できるのか、という問題が生じます。 拒否できる、とした場合には、外国人株主は自らの権利を制限されてしまいますので、株式交換の 特別決議には賛同しない可能性があります。 村上ファンドが利益確定をしたいとするのであれば、株式交換ではなくTOBを望む筈です。 これらを総合すると、株式交換の特別決議可決は問題なかったか、と言われると微妙であったと 思われます。 そうであれば、金銭で解決できるTOBが良い、という戦略になると思います。 仮に私がアドバイザーであったなら、やはりTOBを選択したであろうと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 実際3分の2の特別決議というのはそんなに難しいものなのでしょうか・・・。 株式交換を発表した企業で、株主の反対が強く実行できなかったというケースはほとんど耳にしたことがないような気がします。 もし実際に株式交換が株主総会で否決された有名な事例があれば教えていただけませんか 株式交換でも、反対株主は自分の保有する株式を会社に買い取ってもらう権利がありますよね。まあTOBのほうがより高い価格で買い取ってもらいやすいのかもしれませんが・・・。
- graninger
- ベストアンサー率83% (10/12)
法的観点からはやはりNo1の回答の通り、株式交換によりニッポン放送(N社)の株主がフジテレビの株主になるのを避けるためだったと思います。今回のTOBのそもそもの目的は、村上ファンド(M)のもつN社株式(20%弱のシェア)を買取り、Mからフジサンケイグループを守るためのものでした。N社はフジテレビの23%の株主だったので、株式交換によりフジテレビがN社の株主に自社株を交付すると、株式交換比率にもよりますが、Mはフジテレビにとって株主提案権(議決権の1%)や総会招集権(同3%)を有する株主になる可能性がありました。Mの日頃の行いを見ると、Mに株主になってもらいたくはなかったんじゃないでしょうか。 これとは別の観点で、フジテレビのアドバイザーがTOBを勧め、これに必要な資金の調達をそのアドバイザーが引き受けることにより巨額の手数料を手にした事実も無視できないと思います。フジテレビはTOBのために800億円のCBを発行しましたが、その10%もの手数料がアドバイザーに入る可能性があるようです。更にこのアドバイザーは、フジサンケイグループの元オーナーの保有するN社株式が信託された証券を昨年購入しているので、自ら代理人を務めるTOBに応じれば15億円もの利益になると報道されており、フジにTOBを熱心に勧める動機はあったんじゃないでしょうか。フジにとっての最善の策はTOBでも株式交換でもなく、たんにN社のもつフジテレビ株式のみを買取ればよかったんだと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >フジテレビのアドバイザーがTOBを勧め、これに必要な資金の調達をそのアドバイザーが引き受けることにより巨額の手数料を手にした事実も無視できないと思います。 実際、これが大きいんじゃないかと思います・・・。スキーム考えるのはアドバイザーの証券会社の役割ですし。 合併とか株式交換というのは、証券会社にとってはあんまり儲かる話じゃないですけど、TOBなら手数料収入も大きいし、ファイナンスが必要ならそこでも設けられるし。 フジとニッポン放送のリーガルカウンセルは何をしていたのかという疑問はありますけれど。 >フジにとっての最善の策はTOBでも株式交換でもなく、たんにN社のもつフジテレビ株式のみを買取ればよかったんだと思います。 それは現実的に可能なのですか?特定株主からの自社株買いはできないのではないでしょうか?
- IceDoll
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あくまで推理なのですが・・ まずフジテレビ側には資金があった事と株式交換によって村上ファンドやサウスイースタン等へ自社株を渡したくなかった 株式交換すると外資も含めてニッポン放送株主がフジの株主になりますからね そして大株主は村上ファンドとライブドアに株を売ったサウスイースタンを除けば大なり小なり取引関係がある為、スムースにTOBで株を集められる目算があったのでしょう 当時としてはライブドアがM&Aを仕掛けてくると予想してなかったですしフジには資金があったのであえてTOBにしたのだと思います
お礼
ご回答ありがとうございます。 フジテレビもMさんなどには株式を渡したくなかったんでしょうが、Mさんもフジテレビの株式はほしくないと思うんです。PBRの低い企業を狙ってたわけですよね。彼らは。 仮に株式交換によりMさんらがフジの株式を持っても、フジの時価総額はニッポン放送のそれに比べると全然大きいので、Mさんたちのフジに対する影響力もしれてますよね・・・ >フジには資金があったのであえてTOBにしたのだと思います そうかもしれませんが・・・ 今回の結果を見ると、判断ミスがあったとしか思えないです
お礼
丁寧にご説明いただきありがとうございます。 すみません、TOBを公開買付という意味で使ってました・・・。 公開買付け自体はM&Aだけではなく、自社株買い等にも使用されており、商事法務の資料版などを見ると、公開買付けがその後の株価の変動により成功せずに終わっている例は結構みられるので、その意味で失敗することもままあると言いました。 今回のフジの公開買付けはたまたま成功しましたが、株価があんな感じでしたが通常ではTOB成立の下限である25%いかなくても全くおかしくない状態だったのではないかと思います。 株式交換が株価変動リスクの影響を受けないのに対してTOBはもろに受けますから、どっちのほうが総合的にリスクが高いのかは一概にはいえないように思います。 今回のフジテレビのケースでは・・・TOBは確かに選択してもおかしくはない選択肢だったのでしょうが、結果としてこういう状況になったのですから、妥当な選択肢だったとはいえないのじゃないかと思います・・・。何か私がまだ勘違いしてるところがありましたらご指摘下さい。