こんばんは。
質問の内容が二つあるようですね。
「10年後の音楽産業がどうなっているか」
「レコードメーカーの存在意義とは」
まず後者から。
「レコードメーカー」と仰いますが、定義が曖昧な気がします。
これが「レコード会社」を指すのか、「CDプレス業者」を指すのか、「音楽出版会社」を指すのか、その辺の違いはお分かりでしょうか?
予想が付くと思いますが、最初にありきは「レコード会社」。元々はここがアーティストの発掘から音源制作、プレス、流通、宣伝、原盤管理、権利管理までを行っていました。
日本の場合は電機メーカーがレコード会社になるケースがほとんどでしたから、プレス業者も兼ねていたわけです。
それが徐々に分社化し、個別に事業を行うようになり、20年ほど前から制作や権利管理、原盤管理などを音楽出版社もしくはアーティストの所属事務所自ら行うようになっています。ミュージシャンだって好きに曲を作ってその辺のスタジオで自腹で録音してるわけじゃないんです。それじゃ素人ですからね。
きちんと何百万、何千万の資金を投入し、高価な機材を使い、サポートミュージシャンやサウンドエンジニア、マスタリングエンジニアの手を借りてようやく音源を完成させるわけですよ。
で、つまりレコード会社は宣伝と流通が主な仕事になりつつあるわけです。とはいえ、制作だってもちろんやりますし、お金も出していますので、その辺は明確に区別できません。
さて「レコードメーカーの必要性」ですが、これで答えは出ていますね。
メディアがCDだろうがレコードだろうがデジタルファイルだろうが「音源」を制作する仕事が存在する限り、「レコード会社」も「音楽出版社」も必要です。
唯一「CDプレス業者」だけが危機に瀕することになります。
とはいえ、DVDもあればSCDもある、次世代DVDもすでに実用段階、となればまだまだ生き残るでしょう。
それに10年後ならまだCDというか「モノ」への信奉はまだ薄れていないはずです。
少なくとも僕は形あるモノが好きですしね。
10年後の音楽産業を予測するのは難しいですが(10年前に誰が今の業界を予測したでしょう?)、安直ですが、今より一層の多様化が進むのかな、と思います。
情報量が加速度的に増え、処理速度も増加し、流行のサイクルが短くなる。
(一昔前は20年サイクルでしたが、今は10年サイクルです)
中規模ヒットが生まれては消えていく。
一方でキャリアの長いアーティストは着実に売れ続ける。
当然、音楽配信も進むでしょうからオリコンチャートに新たなジャンル(DL数)が登場。
シングルの総売上は落ち、アルバムがメインの時代へ転換。(ベスト的オリジナルアルバムの増加)
アーティストの独立化(インディペンデント=インディーズ志向)は進むがメジャーがそれを内包しつつ肥大し、個々の売上は下がる。
ついでに紅白の視聴率がた落ち。
と、若干悲観的に予測してみました(笑)。
大丈夫、どうせ外れます。10年どころか今年の音楽産業だってどう転ぶかわかりませーん。
お礼
ありがとうございました。このことを考えつつ、これからの音楽業界を私自身見続けていこうと思います。