NGOの事務局をやっています。
おっしゃるお気持ちはよく分かります。募金をいただく側は、なるべくそういう形で募金を使わせていただきたいとは思っています。ただ、実際には不可能だ、ということもご理解ください。
援助というのは、コストがかかるものなのです。食料を買って、それを配布するとして、その人の人件費。たとえボランティアでも、生活費はかかります。あるいは食費。交通費。不便な場所なら交通費はバカになりません。日本の10万円をそこまで運ぶコスト。銀行経由なら手数料もとられます。
そのボランティアを支える組織の事務経費。事務所を借りれば家賃が必要になるし、パソコンもいるし、電話も必要だし。
トータルすれば、2割から3割がコストになるのは仕方がないことです。
あなたの善意は全額援助に使います、という言い方をするNGOもあることはありますが、コストがかかることには間違いがないわけで、その分の費用を右のポケットから出すか左のポケットから出すかの違いでしかありません。
多くのNGOは、なるべくコストを下げようと、劣悪な環境のもとで善意で活動しています。NGOワーカーの平均給与は、普通の仕事の半分ぐらいです。しかしそれでもお金はかかる、ということはご理解下さい。
それから、もう一点。難民が一番必要とするのは食料ではありません。難民というのは自国にいられずに国外に逃亡した人たちです。難民の一番の願いは、自分で食料が作れるようになること、つまり自立するための方策です。そうした難民の事情については、国連難民高等弁務官事務所のHPがいいでしょう。
下にご紹介するのは、私のNGOではありません(そうしたいのですが、やめておきます)。難民支援をしている大手のNGOです。ご参考までに。あなたの善意を最大限活かしてくれるところだとは思いますので。