こんにちわ。平和構築という観点からの最新情報は残念ながらOPENにされていませんね。と言うより現在の東ティモール政府にそれだけの能力がまだ備わっていないようです。人口、農業、インフラ、教育などあらゆる統計は2002年UNDP資料くらいしか見当たらず、ベースは旧インドネシア時代のものだったりします。
インドネシア・ネガラ銀行東京支店の友人にヒヤリングしたところ「あぶないから行ってはダメ」という程度の情報しか出てこないような、情報のない国です。
平和構築活動については、伊勢崎賢治さんの「東ティモール県知事日記」が、国連の能力の問題点の浮き彫りにするという視点でおもしろいです。
治安現状について若干のデーターを差し上げます。
○東ティモール警察(PNTL)
2004年2月現在の勢力は約3000名。2003年12月に国内全ての治安維持の責任がUNPOL(国連警察)から移譲された。任務・配置は、各市レベルに配置されている一般警察官が約2,400名(20%が女性)、主として群衆統制の増援任務を持つUIR(特殊部隊)が164名、国境警備に任ずるBPU(国境警備隊)が300名、国境付近における元民兵等武装勢力対処にあたるRDS(緊急展開部隊)が120名であり、脅威に応ずる必要な機能を組織的に編制している。しかしながら、未熟な訓練練度、装備不足、使命感及びリーダーシップ不足等の諸問題を抱えており、現段階での各種事態対処能力は脆弱である。
○東ティモール国防軍(F-FDTL)
現在1,200名態勢であり、将来的には予備役約1,500名を含める3,000名態勢を予定している。配置は、1大隊が東部のロスパロスに駐屯し、東部地域の防衛任務にあたっている。2大隊は、メティナロ(ディリ県)で訓練中である。2004年5月UNMISETの任務終了後の配置は未定である。軍の整備は継続されているが、予算や熟練指導者等の不足により遅滞している。また、東ティモール政府は国内の治安維持におけるPNTLとF-FDTLの任務区分を明確にしていないため、現段階での明確な任務がなく、隊員の士気は高いとは言えない。このため、PNTLとの関係は必ずしも良好な状況とは言えず、度々個人レベルの争いが生起した。
なお、警察・軍ともに旧インドネシアに雇用されていた者、ファリンテル(独立義勇軍)戦士は一切雇用されない。怨念を持ったものに治安維持の任を任せるわけにはいかないという趣旨ですが、逆に教養・経験・指導力不足の若者ばかりの組織となってしまいました。
また、国境周辺には突発事故を防止するために軍を配置していません。(それだけ根深いものが残っているのですね)
更に、東ティモール政府には警察・軍を維持する財力がありません。
難民については、今でも2万人くらいの東ティモール人が西ティモールに居るようですが、これについての情報は私は持っておりません。(すみません)
UNMISET任期満了・撤退後の治安に対する予測ですが、PKF軍司令官等へのインタビューを通じて「概ね維持されるだろう、心配はない」とのこと。
私も中部山岳遅滞へ視察に行きましたが問題なしです。(国境周辺はまだ遠慮して行っていません)
ディリ市内は、併合派民兵によって破壊された建物がいまだ屋根もなく壊れたままですが、ぼちぼち修復されつつあり、落ち着いています。
グスマオ大統領は教育に熱心で、制服のポロシャツを着た生徒たちが市内をにぎやかにしています。
東南アジアで最も貧しい国ですが、卒業旅行の候補地にでも入れておいていただければ、部外者ですが嬉しく思います。
お礼
回答どうもありがとうございます。 個々の問題が複雑に絡み合っている事が良くわかりました。治安を維持する為の資金が不足しているというのは大変興味深かったです。やはり途上国、特に最貧国の場合資金不足というのは色々な所で首をしめてくるんですね。 大変遅くなりましたが、ポイントを発行します。 ありがとうございましたm(_ _)m。