任天堂スイッチを定価で買えない理由
私は哲学カテゴリーで頻繁に質問する哲学趣味で、今回の任天堂スイッチに関しては、経済問題からの引用として題材にしています。
私はおもちゃ屋で、身近な事例として内情の紹介です。
前回↓
プレミアム価格の任天堂スイッチを定価で買う方法
https://okwave.jp/qa/q9340852.html
さて、これからお話しすることを証言した、業界関係者さんはすでの退職し、勤めていた企業も経営者が変わっています。現在は私のお店と取引はありません。ちなみのこの一次問屋の経営権は現在は任天堂が握っています。
古い話の引用ですが、それはすでに業界内に迷惑をかける人物がいない事を確認しているからで、恐怖政治的な任天堂のダークな噂といえば、現在でも枚挙にいとまがありませんが、それは避けました。
喧嘩を売るなら誰にも迷惑をかけないで、丸裸で殴り合いをしようと考えての事です。
以前に、任天堂から直接商品の納品を受ける一次問屋の営業マンさんが教えてくれたことです。
任天堂の営業マンとの交渉というのは、世間で言われるいわゆる商談とは違う、異様な雰囲気での取引だそうです。
任天堂から納品を受ける一次問屋側には、商品を発注する権限がありません。
任天堂が一方的に提示する納品計画に関して、承認するかどうかの確認だけだそうです。
一方的に提示された数量の変更は原則的に不可で、それでも変更の要望を出すと、業界内でのシェアを大幅に減少させる極めて不利な納品計画に変更するそうです。
一次問屋の数は限られていますから、商品の配分量全体でシェア低下の見積もりをされて売り上げに響きます。
「逆らうならら,お前の会社をつぶしてやる」任天堂の営業マンは直接は言わなくても、態度や言い回しに露骨にそんな恫喝が見え隠れしているそうです。
かつて、任天堂関連で「初心会」という組織がうわさされましたが、その時代から任天堂の取引交渉はこのような形で行われます。
一次問屋は一方的に押し付けられた商品を効率よく採算に乗せるために、前回質問で出た「価格転がし」の必然に迫られます。価格転がしも独自の業界が出来ていて、テレビゲーム系2次問屋として長い伝統があります。
ファミコン時代のドラクエの行列騒ぎは、当時を知る人には今も印象深いでしょう。
当時、ニュースでも取り上げられ、それを私も見ましたが、長蛇の列を前にニュースレポーターがそのお店の取り締まりクラの役員にインタビューをして、レポーターが、「こんなに行列が出来たら大儲けでしょう」と問いかけたら、役員はおおらかな笑い方をして、「いいえ実は商品手配で数億円の赤字です、しかしいい宣伝になっています」このように全国放送しました。商品を集めるためにそのような価格転がしを演出したのが、テレビゲーム系2次問屋です。
さて、現在の注目商品、任天堂スイッチですが、プレミアム価格で販売する転売業者、せどり業者にきわめて大きな憎悪が集まっています。
購入希望者が素朴に考えているのは、定価との差額2万円ほどをぼったくる悪徳業者だというのが根拠です。
2万円をぼったくるには、個人のお小遣い稼ぎで行列をして運よく買えた人が一台だけ売る場合だけですよね。
せどり業者はすでに業態が確立していて、中堅クラスの業者でもスイッチを月に1000台以上売っています。
あなたの近所の有名店に、スイッチの次回入荷予定が告知されたとして、その入荷予定は何台ですか?
それで何人行列しますか?
商品の大多数は実際はプレミアム市場に流れています。
定価で買うのは懸賞当選に相当する夢物語です。
ほかに購入する手段が無いので、プレミアム価格での販売は、とてもよく売れています。
さて、噂される悪徳転売屋の実態ですが、2万円も儲かっていません。
彼らはせどり業として、汚名を着ながら受注の取りまとめと、実際の発送を請け負って手数料を受け取るだけで、そうですね、スイッチほどの単価の商品を発送する、せどり業者の手取り手数料は相場的に考えて、350円から500円ほど、大型商材としてボーナス的に増額されていても手取り700円です。
そこから人件費などの経費を差し引いたのが企業の利益です。
誤解されがちですが、混載貨物自動梱包ロボットなんてありませんよ。
発送する商品の一つ一つを、誰かが手作業で梱包しています。
月間1000台以上販売しているから、初めて仕事として成り立つんです。
アマゾン残酷物語の原点も、こんなに安くて働いている人はちゃんと給料をもらっているのかという疑問です。
消費者が怒る悪徳業者というにはだれか?
利益はだれが吸い上げているのか?
任天堂自身です。
一次問屋への過大な押し付けをするほど、価格転がしが必要になり、2次問屋が請け負う、そしてせどり業者が集金するんです。
この価格転がしは、本来は価格を安くするために編み出された仕組みなので、今後スイッチのユーザーとは無関係な3DS関係の新作ソフトの値下がりペースが、差額調整の結果すごく早いとか、一方では値段が安くなる恩恵を消費者も享受します。
任天堂は、このように積極的に利益を吸い上げる態勢を作って、自由な市場原理で形成された価格高騰とは別です。
テレビゲームの流通は価格が乱高下する投機的市場で、任天堂を胴元にする私設カジノです。
ソニーはまともな商売をしようとしているから、このギャンブル経済に負けて二番手扱いなんですよ。
マイクロソフトはこのような弱肉強食に関与できない田舎者ですね。
そのほかにもプレミアム価格に実情を説明しましょう、商品を購入するとき、お客がカードで決済するとお客には負担がありませんが、販売店は実際にはカード会社に手数料を支払っています。ゲーム機の定価販売で販売店が得る利益というのは、お客がカード決済した場合、手数料の発生で赤字に転落するほどのびっくり仰天の少額なんです。そしてネット通販の場合はHP開設者にシステム手数料も支払います。通常の販売店が、大手通販サイトで発生する手数料すべてを価格転嫁して、販売しても赤字にならないぎりぎりというのは、そもそもスイッチの場合35000円台です。最初はプレミアム(ぼったくり)と言われながら、この採算ぎりぎりで始まりました。ネット通販の場合は、販売業者に価格決定権は乏しく、相場として集約された情報が集積する結果現必然的に決定する価格に追従しているだけです。価格つり上げ工作をする余地は販売店にはありません。
主に任天堂から押し付けられる商品量が増えたから価格が跳ね上がったんです。
さて、以上の論説で取り組みたい哲学とは、「人間はいまだに生贄を必要としている」こういう命題です。
これは哲学として専門的過ぎて、なかなか回答できないでしょう。
市場経済は自由であるから価格高騰もありうるんですが、任天堂は帝国主義的流通政策で、消費者から工夫すれば安く手に入る自由を奪っています。
経済問題として、自由を失った市場経済についても、何かご意見を募集します。
まあ、なんでも落書きしてくれて結構です。
ゲームへの熱い思いを何か書いてくれても、おもちゃ屋としてうれしかったりします。
お好きなように投稿してください。
おまけです。
任天堂帝国主義の支配下では流通に価格決定権が無いことをもう少し説明しましょう。
アマゾンで見たら、スイッチの基本セットと、一本おまけのついたスプラトーン同梱版がほぼ同一価格でした。
価値判断が冷静にできるなら、ふつうあり得ないことのように思いますよね。
こういうのは、市場経済で価格が決定しているからこそで、ソフト一本分の付加価値が無視されるほどの価格高騰なんですよ。
問題はこのような高騰の恩恵が、スイッチユーザーには無関係な、任天堂が押し付けた3DSのソフトなどの値下がりで還元されることです。
この前発売の2DS LLなんて、値がさが大きい大型価格転がし商材です。
こうした商売の原理は市場経済を可能な限り自由にする原則から生まれました。
任天堂は、その市場からとことん利益を吸い上げていることを、開き直ってこそ良心的です。
彼らはいかに堂々と不正を行っているか明らかにした方が消費者のためなんです。
スプラトーン同梱でも通常版と価格が変わらないことが注目点で、「価格高騰緊急対応パッケージ」とでもいうのを販売して、任天堂プリペイドカードを1万円ほど通常盤に同梱して、想定39000円相当をオープンプライスで出荷するといいでしょう。
露骨に任天堂が儲けますよね。
ところがこの方法だと、3DSが何かわからないけど安いという、消費者をだました価格転嫁と違って、プレミアム価格で買っても消費者に正当な還元があります。
このようなパッケージを作ると、定価との価格差の縮小に応じて、ネット流出よりも店頭に出回る台数の総量が統計的に拡大することが見込まれて、まともな値段で購入する機会が増えます。
ネット通販のネット課金は相当重いんですが、まともな流通をする調整としてこの手法は有望です。
補足
やはり値段や財布と相談するしかないですかね?