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硬質クロムめっきのベーキング処理について
- 硬質クロムめっき中の水素は抜けないのでしょうか?
- ベーキング処理によって水素が追い出される仕組みは何なのでしょうか?
- ベーキング後クロムめっき中の水素が鋼に拡散することはないのでしょうか?
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おはようございます。 >やりすぎて駄目というのは、温度を上げ過ぎると硬度が下がることを示しているのでしょうか?何か他の要因でしたら、ご教授お願い致します。 私が持っている文献では、 クロムメッキは200度まで急激に残存水素が減り、500度でほぼ抜けてしまうように記載があります。でも、メッキ硬度は200度で1割減、400度で2割以上減、500度から急激に軟らかくなります。水素がメッキ内部に「歪」を起こし、硬度という数字で現れているのではないかと思います。 だから、残存水素を除く時はおおむね200度の油に1~4時間浸漬することがよくやられている方法かと思います。 また、下地素材にも因ります。焼入れ鋼なら高い温度だと鈍ってしまうから。 お互いいろいろ勉強ですね。
現場の人間ではないので一般論ですが・・・ クロムメッキは特に水素が多く含まれるメッキです。 メッキ中の水素は引張り残留応力やクラックの原因になるなど、 悪影響を及ぼすのでベーキングするわけですから、 メッキ中の水素も抜けます。 そもそも水素は常温でも拡散します。 そして金属表面から離脱していきます。 拡散係数は高温ほど大きくなるので 低温のベーキングでも十分拡散して抜けていきます。 ベーキング後だけでなく、ベーキング中にも 濃度勾配がある以上、水素は鋼中に拡散するはずです。 しかし表面に抜ける方がはるかに多いのだと思います(←自信なし) メッキなど電気的な操作で生成した金属には大なり小なり 水素が含まれているのですが、過去に大量の電解鉄をベーキングしてみると、 排気口から水素の気泡がぼこぼこと上がった経験があります。 水素はこういった金属中に平衡状態のはるか高濃度に 存在しているらしいので加熱で簡単に抜けるガスです。 手元に水素の拡散係数がないのであやふやですみません
化学反応で発生したガスはほとんどメッキ中に抜けていると思います。 しかし、クロムメッキは電気メッキなので成長がとても早く、水素がメッキ層に捕まってしまうのではないでしょうか。ベーキングしないと水素脆性を起こすのは、捕まる水素の数が鋼材に影響を及ぼす程度であるという長年の経験によるものでしょう。 水素分子はオングストロームレベル、メッキ成長速度は電流密度にも因りますが50~100ミクロン/時。1分間に800ナノ以上成長します。水素分子を1Åとすると8000倍以上成長します。いくら水素が小さくてもかなりの分子が捕まってしまうと思います。 また、温度を上げることでクロムメッキの微少クラックが開くことによって水素が抜けやすくなると思います。 さらに、ベーキング後にメッキ層に残っている水素が鋼材に拡散することは充分ありえると思います。だから、経験と実績に基づいた方法(温度や時間)でベーキングする必要があると思います。 ベーキングはあくまでも強制的に水素を追い出す方法なので、中途半端でも駄目、やりすぎても駄目。品質とコストの兼ね合いで皆さん決めていると思います。 かなり想像で書いているので「思います」ばかりですみませんm(_ _)m
お礼
早速のご回答有難う御座います。 ベーキングは水素を追い出す方法なのですが、温度、時間が文献によって違っており、経験と実績に基づいたものなんだなあというのがなんとなくわかります。 やりすぎて駄目というのは、温度を上げ過ぎると硬度が下がることを示しているのでしょうか?何か他の要因でしたら、ご教授お願い致します。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。 水素が工業用クロムめっき過程で侵入するときは、原子状のHが侵入するのですか?逆に抜けていくときは原子状のHなのか、分子状のH2になるのか? ご教授お願い致します。