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浸炭と窒化の使い分けと特徴
- 材料の表面処理において、浸炭と窒化の使い分けは何を基準に決まるのか?
- 浸炭焼入れの表面硬度はHv700-800、窒化はHv500-1000以上
- 深さは浸炭がmm単位、窒化はμm単位。使用目的や処理費用、処理条件を勘案して使い分ける
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窒化処理と浸炭焼入れの違いは、表面処理に伴う歪み量が窒化処理では少ないことです.これは、窒化処理の有効硬化深さが比較的浅い(0.20.5mm)ことで説明できます. 従って、軸類やギヤなど伝動系部品への窒化処理採用は、大きな衝撃荷重を受けないエンジンタイミングギヤなど歪抑制による騒音防止部位にしか採用されていません.歪みを嫌う箇所には窒化やタフトライド処理(有効深さ0.150.35mm)がお奨めです.窒化やタフトライド処理は表面硬度が高く、耐磨耗性に威力を発揮します. 適用素材で分類すれば、SCM415・420、SCR420などのCr-Mo鋼が浸炭焼入れ、SACM645,SCM440、SCR440などが窒化処理に適します.
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浸炭と窒化は、概ね用途で使い分けがされているようです。 窒化処理した材料は、焼き戻し抵抗が大きく、温度が500℃近く上がっても表面硬さの低下がほとんどありません。そのため、摺動部品等に使われています。 また、処理温度も浸炭が900℃930℃に対して窒化は520℃と低温度あり焼入れもない為、変形に対しても優位といえます。 但し、窒化深さを0.30.5mm確保するのに、30時間50時間必要となります。 浸炭の場合は、合金鋼で1mmの深さであれば 45時間ですみます。 硬さについては、SCM415の場合、浸炭でHV800 前後、窒化では、HV650前後となります。 参考としてください。
お礼
ありがとうございます。だんだんつかめてきた感じです。
下記URLを参照ください。 それぞれの言葉の通り、浸炭は炭素を窒化は窒素を金属表面に濃化させて、処理することで硬化させます。 金属成分によって、それぞれの化合物のできやすさが異なるため、鋼種による選択も必要です。
お礼
ありがとうございます。 わかりやすく分類されていて参考になりました。
そもそも浸炭は、表面の炭素濃度を上げて、高硬度のマルテンサイト組織を得るものです。通常、シャフト、スライド、耐摩耗部品等の常温域で使用されるものに使われます。窒化処理は、一般的には高温焼戻しを行う工具鋼等で500-550℃の焼戻を兼ねて行われたりしますが、Cr等の窒化物を作りやすい合金が入っている方が硬い窒化層が得られます。 100-200℃で焼もどしする材料に窒化しても焼きが戻ってしまうことになりますし、500-600℃で焼もどしする材料に浸炭しても浸炭焼入組織が焼きなまされてしまいます。適度に合金が添加されている鋼ではどちらも選択できる場合もありますが、その鋼の処理条件、使用目的によって決まってくると考えるべきだと思います。
お礼
ありがとうございます。 大変参考になりました。
お礼
具体例を挙げて説明していただき理解が深まりました。ありがとうございます。