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フォッケウルフTa152シリーズの魅力とは?
- ナチスドイツが投入したフォッケウルフTa152シリーズは、最強の高高度レシプロ機として知られていますが、生産機数の少なさからメジャーな存在感はありません。
- 一方、低高度ではフォッケウルフTa152Cシリーズが「H」シリーズを凌ぐ性能を持っていましたが、ナチスドイツ空軍の崩壊やメッサーシュミットMe262の活躍により、戦局には影響を与えることはありませんでした。
- 結局、フォッケウルフTa152シリーズにおいては、ナチスドイツ空軍の最優秀レシプロ機としては「Fw190D」シリーズが認められることになります。
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ミリタリーに限らず車でもなんでも、日本のオタク諸兄はとにかくカタログスペック命で、そのカタログ性能で比較して優れているとか劣っていると議論するのが大好きです。 でも、兵器っていうのは「道具」としての側面もあるわけで、カタログスペックでは推し量れない「数字に出ない部分」というのも優秀さには関わってくると思うのです。例えば、操縦がマイルドで癖がないとか、整備性が高いとかです。 Ta152には、ドイツ兵器お約束の「理屈は素晴らしいけれど凝り過ぎて整備性ガン無視」の匂いがプンプンと漂います。登場があまりに遅すぎたのでそういった問題が表面化することはなかったようですけどね。 そんなこんなを考えると、Fw190シリーズが一番バランスが良かったということはいえるのではないかなーと思います。Bf109はドイツ版カワサキの直線番長ですからね。 P-51だって最初はとんでもないボンクラ戦闘機だったのが、マーリンエンジンを載せたらあら不思議、歴史に残る傑作機になっちゃったというパターンです。もしマーリンエンジンがなかったらというか、マーリンエンジンがあれだけ拡張性に優れているエンジンじゃなかったらP-51が生まれることはなかったと思うと、歴史の運命というものを感じずにはいられないですね。 ところで道具論でいうと、こういう話があるんですよ。日本刀って、愛国心が溢れる人たちから「世界最強の剣」なんて呼ばれることがありますよね。銃の弾丸を真っ二つにする切れ味があるともいわれています。 でも、戦争の兵器としての日本刀には致命的な欠点があるんです。それは「折れやすい」ということ。実は日本は火山が多いせいで鉄鉱石に硫黄分が多く含まれるのです。もちろん製鉄の過程で硫黄を飛ばすことはしますけれど、とはいえ元が元だけにその性質の影響は受けるんですね。だから鉄が脆いのです。生きるか死ぬかのときにアッサリポッキリ折れるようなものに命を託すわけにはいかないじゃないですか。だから脆い鉄でどうやったら使える武器になるかというのを試行錯誤した結果が「極限まで切れ味抜群にして脆さをフォローする」だったのです。だから一発の切れ味としては鋭くても、使い続ける道具としては欠点があったんですね。 だもんですから、映画「七人の侍」では土山に日本刀を沢山刺して、三船敏郎がそれをとっかえひっかえしながら切って捨てるというシーンが登場しています。あれはリアルな表現なんですよ。
お礼
eroero4649 様、丁寧なご回答を言ただきまして、ありがとうございました。実はわたし、やはり「Ta152H」には異常な魅力を感じますので、アオシマ社の1/72スケールのプラモデルキットをストックしてあります。大変「お求めやすい価格(1200円)」でしたので、次回はこのキットを製作してみようと考えております。