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WWIIで活躍した戦闘機の航続距離について。
皆様こんにちは。さて、今回軍用機にお詳しい方にお尋ねしたいことは、WWIIで活躍した各国の戦闘機の航続距離に関することです。これは、わたしの素朴な疑問なのですが、日本の旧軍機(ゼロ戦、隼、等)は、ヨーロッパの戦闘機(フォッケウルフFw190、スピットファイア、等)よりも、格段に航続力が優れていますよね。これはなぜなのでしょうか? フォッケウルフの最終形である、Ta152Hでも、せいぜい1500キロでしょう? ご教示いただけましたらうれしいです。よろしくお願いします。
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日本軍機でも、陸軍機は総じて航続距離は短いです。だから太平洋戦線では陸軍機はほとんど出番がありません。ま、元から「太平洋方面は海軍の管轄」となっていたのがありますからね。 特に陸軍の爆撃機は重爆撃機も軽爆撃機も「航続距離が短い」「爆弾搭載量が少ない」と軍用機ファンの人気はおしなべて低いです。 ではなぜ陸軍機の爆弾搭載量が少なくて航続距離が短いのかというと、それは「陸軍はパイロットの人命重視」だったからです。陸軍機は、海軍機に比べると防弾処置がきちんとされていたんです。そういうことをすると自ずと重くなり、爆弾もそれほど詰めなくなります。どっちをとるかで、陸軍は人命をとったのです。 ヨーロッパの空軍、あるいは日本陸軍でも、陸上づたいなら飛行場はどこでも作ることができます。現代みたいにアスファルトの滑走路である必要はありませんからね。真っ平な場所ならどこでも飛行場になり得ます。そうなると長い航続距離に対する優先順位は当然低くなりますよね。航続距離が長くなると、パイロットもそれだけ長時間飛行することになり、負担も大きいです。それに、短い距離を何度も行ったり来たりしたほうが戦場にはより多くの友軍機が存在しているということにもなりますよね。 ただし海軍、特に太平洋方面となるとそんなにあっちこっちに島がありませんから、ある程度以上の航続距離がないと移動もできないということになります。自ずと航続距離への優先順位は高くなります。 また用兵思想の影響も大きいです。ルフトバッフェは「空飛ぶ砲兵」として整備されました。内陸国であるドイツにとって、何はともあれ最優先なのは陸軍です。ここに異論はないですよね。そしてナチスドイツはご存知の通り戦車部隊を充実させて「電撃戦」という戦術を用いることにしました。 ここで問題になったのが「砲兵の自走化」です。敵の陣地を突破するには砲兵の存在が欠かせません。ドイツ軍の装甲部隊は戦車と装甲車で自動車化されていますが、砲兵はまだ馬で曳いていたのです。特に1930年代はまだ自走砲というのがドイツも含めてどこの国も整備されていなかったんですね(実は他ならぬ我らが帝国陸軍が自走砲に着目していたのですが、それはまた別の機会に)。装甲部隊はとっとと進むのに、砲兵部隊がそれについていけないと敵陣が突破できない。かといって自走砲まで予算に手が回らない。 そこで白羽の矢が立ったのが、空軍です。スツーカは、自動車よりはるかに速いです。なのでスツーカを「空飛ぶ砲兵」として使って装甲部隊の進撃を支援することにしたのです。 そうするとルフトバッフェの主任務は「装甲部隊の支援」なわけですから、そんなに遠くに行く必要はないんですね。装甲部隊が行ける範囲が支援できればいいのです。ルフトバッフェも予算の限界がありますから、重爆撃機まで手は回りません。東西を敵に挟まれていますから、数は必要だという考えもあって、とりま戦闘機とスツーカの数を揃えるのが最優先、となったのです。 特にルフトバッフェはバトルオブブリテン以降は連合軍のドイツ爆撃に対抗するための防空軍という役割が大きくなりますから、益々航続距離は問題にはならなくなったのです。防衛空軍ですからね。
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- nagata2017
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装甲を薄くして軽量化。燃料をたくさん積める。燃料だから 使えば軽くなる。 基本的にはそれだけのことです。
- tzd78886
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eroero4649氏の書き込みは概ね正しいですが、「陸軍の航続距離は比べて短い」というのはあくまでも日本海軍機との比較の問題です。ヨーロッパの戦闘機は1000キロも航続距離が無いものが大半でしたが、日本では特殊なものを除き陸軍機でも1500キロは飛べるようになっていました。当時の巡航速度は500キロ程度でしたから、1時間以内に戦場に辿り着ける場所であれば十分可能だったということです。
- tzd78886
- ベストアンサー率15% (2590/17104)
戦法がそうせざるを得なかったから。ヨーロッパというのは占領したところに基地を設置してそこから飛び立てばいいわけですからそんなに航続距離が長くなくても構わないのですが、日本は島国ですから飛び立つ場所と戦場が離れていることが多く、帰ってくる分も含めれば航続距離が長くなければ使い物になりません。