これは思想の話で議論しても意味ありません。
ルールの話として考えるべきです。
昔は通常のサラリーマンだったら、ワイシャツでネクタイを締め、スーツを着るというのが最低の身だしなみで、場合によって3つボタンのものにしたりしたものです。
したがって真夏ではガンガンのクーラーONにする必要があり、その弊害として常に内勤をしている部隊が寒くてならないなんていうことになったわけです。
そういうことの反省でクールビズのような考え方が適用されるようになりました。客商売であっても、ノーネクタイで対応させていただきますと宣言して、常時クビを締めたりしないで仕事をする習慣になったのですね。
一度そうしてしまうと、別に夏場でなくてもそれがなんとなく適用されるようになり、冬でもノーネクタイなんていう職場が出てくるようになりました。
こうなると、営業でもない人間がぴっしりネクタイを締めてボタンをしたスーツで活動していると、逆にそのほうがおかしく見えるという事態になります。
「和を乱す」というように見えるのですね。
私はコンサルタント仕事をしていますが、当然客先にいくにはネクタイをしてスーツで行きます。
でもある研究機関にしばらく毎日行っていたとき、そこの人間つまり博士たちから「そのスタイルいつまでやるんですか」と言われたことがあります。彼らはポロシャツまではいきませんが、模様のついたシャツで上着なんか羽織らないで仕事をしていました。
明らかにそういう空間に私のスタイルでいくと、ギョーシャが来たように見えたり、監査に来たのかとか怪しい存在として見えるのです。しかたがないから、行くまではタイを締めて、先方に着いたら外させてもらうというやり方にしました。
そこのルール、そこの空間になじまないで「清潔だ」とか「堅実だ」ということに拘泥すると、現場になじめない危険があります。
郷に入りては郷に従えというのが、服装でもあると思います。
初めての相手と会う場合は、自分の思う一番ちゃんとした身だしなみをするのが無難だとは思います。