中国の「人民」について
現在、中国研究において大変高名な毛里和子さんの著書を読んでいるのですが、その中でどうしても読み解けない部分があったので、質問させていただきます。
著書の中では、中国において「国民」と「人民」が峻別されて用いられてきたという歴史を、周恩来の言葉を引用して解説されています。
自分なりにその内容を以下のようにまとめてみました
「『人民』は、より公民的な概念である『国民』から抽出された一部の愛国民主分子のことを指し、『国民』の中には、いわば『人民の敵』も含まれている。
彼らには、当面『人民』としての権利は与えられないが、中国の国籍を持つ『国民』として、その義務を全うしなければならない。
従って、現代中国の政治的アイデンティティは『人民』である。(「自分は『人民』だ!」というアイデンティティに基づいて、国家が統合・運営される。)」
その後、「現在中国に55ある少数民族を統合して、強力な単一共和国を築くためには、『人民』に代わる新たな『国民』概念が必要になってきている」と続いています。
この「人民」代わる新たな「国民」概念が必要になってきている理由がいまいち分からないのです。なぜ従来の「人民」概念では少数民族の統一を促せないのでしょうか?
個人的には、「人民」という概念がカバーする地理的領域が限定的であり、新疆やチベットといった区域は「人民」の範疇にないから、つまり、56民族を全て丸め込む事ができるようなより広域的な政治的アイデンティティが必要であるから、と思っているのですが・・・いかがでしょうか。
分かりにくい質問で申し訳ありません。;;
お礼
そうなんですね。