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朽葉色
先日、東京の日比谷の出光美術館における「古唐津展」に行ってきました。 展示されていた、奥高麗茶碗 銘さざれ石 の解説に、この茶碗が朽葉色であるとの解説があり、良く観ると、唐津焼らしい、灰色の中に、乳白色と赤みがかったベージュのような色の複雑な色が交じった色をしており朽葉色のとりこになってしまいました。 しかし、朽葉色とは、鮮やかな紅葉が、色を失ったような色と言葉は非常にあいまいです。 上記の茶碗の他に朽葉色の典型ともいえる茶碗があったら紹介をしていただけると幸いです。 また、朽葉色を言葉でどのように表現するか、回答をいただければ幸いです。
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さて、朽葉、典型茶碗と云う事ですが、もう無いか、 🍵古瀬戸は如何でしょう、六古窯の最古、瀬戸物は数も多し http://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/archives/digi_cate/cate04 左見出しの、灰釉の頁も御参照。初期ほど灰色。鉄釉のは飴釉と呼ばれる。堀の手”と称される発掘品も未だ在り… http://www.fufufufu.com/product_detail/detail/productid/17685 説明に、朽葉色、と在りますが、俗に言う“油げ手”なる色、濡らすとお稲荷さんみたい。江戸時代になって此れに緑色の“タンバン”という斑点が入ると、黄瀬戸と呼ばれる http://www.fufufufu.com/product_detail/detail/productid/16688 此方は未だ室町か桃山か。平安だと須恵器に近く、鎌倉時代だと山茶碗と呼ばれます 🍂 伊賀の破格の花生は、牡丹芍薬など大振りな花が映える様です、 元々桃山茶陶、武家の茶ですので、松や梅の枝とか、格の物も良し。 茶会に限らず酒席や、能楽など歌舞音曲の席にも。~私が所持のは、筒井伊賀~遠州伊賀から幕末の、綺麗さび時代の物なので、此れは何でも御座れ、専ら野の花を投げ入れてます 〉お客人の心を色づかせ、凛然と和ます、歓待の精神、〉という事かな。心映えとも言いますし、事物から精神にも働きかける、時分の花を咲かすお手伝いでしょか 茶席酒席は、自然の取込みでもありますね。土物窯変は、原子レベルで星の誕生から岩石鉱物の生成過程をも辿る訳ですから、何かしらの神秘に触れる筈です。マグマ大神👹 古丹波の赤どべ色等は私、妙に落着く、昔の時代劇に出てくる徳利とか… ~さて私目、抹茶も嗜みましたが旨いのは高価で続かず、、井戸茶碗は手放してしまい、手元に在るのは酒器ばかり…、暗くしてflash撮影にしてみました ~手前の盃は赤井戸とも言われますが本来は李朝の堅手の枇杷色。元は祭器か、知人の形見で此れだけは少し高価だったとか…他は千円単位で 右は近代の青井戸、が赤井戸に変わりつつある(^^),赤斑が出てきた 左は古萩、銘は鰐鮫か(^^),骨董屋ではなくリサイクル店が価値判らず安価で 奥は李朝の、謂わゆる鶏龍山の倣古品で、堅手に白化粧土の刷毛目に鉄絵。数年前に入手ですが、熱燗使いで既に雨漏りと云う景色が出てる…,右側面の灰色の処 所謂“ 育つ”と云う現象、萩と刷毛目は育ち過ぎる様で..(^^;。灯下では全てもう少し赤味掛ります。斯様な物でも暮らしが華やぎますよ~ 結局私も御多分に洩れず、今は唐津の“皮鯨”という筒形のぐい呑に落ち着いてますなぁ、兎に角使い易く味良く、桃山っぽい、現代のでも。斑唐津茶碗も有るけどお茶漬け用です、元は雑器ですから。では私は此れにて。
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今晩は。御礼、拝読しました。照明問題かぁ、元は灯火器か燭台下か 陰翳礼讃ですね~谷崎潤ちゃん…重要です。陶器は灯りで驚く程、発色が変わりますから。~ 出光は茶室の光に準じたのでしょう、しかし 珠光の茶室と藁混じり荒壁の,利休の待庵と、自然光多い,織部の燕庵では http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/140412/ 発色は違い ~ 例えば織部、極付きの 古伊賀水指: 銘 破袋、茶陶随一豪快な重文ですが http://www.gotoh-museum.or.jp/collection/col_05/02094_001.html 五島の画像よりは実物の彩度は高い。特に藁灰釉が溶けた若草色のビードロ釉は、陽の下では鮮やかなエメラルド緑で、伊賀のビードロは皆そうです。 http://kizuna-maboroshi.doorblog.jp/archives/37977555.html 此れは明る過ぎ、色編集かな。でも特長の、緋色,焦げ,ビードロは良く判る。綺麗ですよ~、岩石中の鉱物、宝石の様なガラス質の緑。千三百℃の高温で還元鉄とマンガン哉、錬金術でしょう 川端康成の有名なノーベル受賞講演: 美しい日本の私”で、伊賀の花生には水を噴霧すべし、其れが日本の美、だと云う事でしたが、川端では巧く伝わらなかったか、土物は欧米の評価未だ少ないですね、今が買いです!~伊賀は数が少ない、でも忍者人気で外人観光客は日増しに隣の甲賀信楽にも…何れ伊賀焼きも↑、日本的自然の象徴か、塀や壁に 緑,黄色,赤錆色の黴や藻類菌類が大抵付いてるでしょう⁈,その全ての色が窯変で出てます、湿潤日本だわ。未だ緑の残った落葉にも、全ての色が配色されてる様です、色気の残る朽葉(^^; ~ さて、織部は朝鮮出兵で博多名護屋城に詰めた際、唐津でも焼かせてる 一般に、絵唐津など、釉薬は灰色が多いですね。奥高麗もそうですが、地の土が可也赤く、其の反映で 枇杷色に成るとされます。 中央公論社「日本陶磁全集17.唐津」の巻の写真は彩度落とし気味で、仰る色合いに近い哉⁈、私は雑誌「太陽」の古唐津”のグラビアが好きですが、、まあ何より実物です。 一般イメージの茶道の作法は明治以降の婦女子教育の為の所作ですから、破格で結構!と今千家の宗匠も言ってたし、安い茶碗でもお気に入り有れば、実践為れるが良いです 全部揃える必要も無く、只居住い正せば良い。♪一畳の 結界造って 珠光庵 ☕️珠光青磁、と嘗て言われたのは、越州窯。今物なら入手可能、朽葉色? 🍵珠光茶碗、と今云うのは、同安窯。以前はオリーブ色と言われた茶褐色 http://www.freeml.com/bl/10160157/71856/ 根津のはもっと赤味が薄いと思われます。出光と藤田のが適度でしょうが、も少し渋く青み掛かってる哉⁈ ~後程、私用の器も出しましょうかね、では一先ず御機嫌よう
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marc2bolantiさん こんばんは marc2bolantiさんの回答には教えられることが多く感謝いたしております。 考え方のひとつに「一井戸、二楽、三唐津」と言われますが、私はこれまで唐津茶碗を良く観た経験がなかったので、今回の展覧会に行き、唐津茶碗の奥深さに衝撃を受けた次第です。 井戸茶碗の区分に青井戸茶碗という、灰色味を帯びた青色の茶碗がありますが、青井戸茶碗も「朽葉色」といえるのか?、などと現在考えている次第です。 お茶室の一覧を添付していただきましたが、現在の美術館の照明というのは、どこまでお茶室の光を再現しているのか考えさせられます。 茶碗には轆轤による凹凸があり、同じ茶碗を美術館で鑑賞しても自然光で展示している時には、わからなかった色が、照明下では窪みの部分が陰になって、灰色に見えたりして表情を変えることがあります。 伊賀焼のビードロ釉といわれる緑色は私も好きです。 しかし、東京の高輪台の畠山記念館が所有する、伊賀花入 銘からたち というのがありますが、あまりに花入れが荒々しく、花入れ単独としては鑑賞の余地があると思いましたが、いったい何を活けるのかと思って、列品解説を聞きに行ったら、畠山即翁は「綿」を活けたそうで、そのセンスに感服しました。 添付していただいた、伊賀水指 銘破桶 も存在感がありすぎて、どのような茶碗や茶入れと合わせると良いのかイメージすると難しく感じます。 脱線いたしましたが、「朽葉色」とは、秋の鮮やかな紅葉の赤い葉や黄色い葉が朽ちて行く過程のすべての色を指して、人間は、人生の中には花となる時期もありますが、そんな鮮やかな花のなくても、すべての人には「艶」があるのだから、一期一会の精神で、すべての客人を迎えなさい。 という茶道の精神を「朽葉色」に感じます。 marc2bolantiさんの私用の器を是非見せていただけると、うれしい限りです。
- からあげ ミームン(@marc2bolanti)
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今日は。~件の茶碗:銘さざれ石, は、同じく奥高麗: 銘 秋夜、と同系統でしょうか、比べると幾分、貫入が多い様に見えます、白釉薬が収縮した‘梅花皮”も… 何れ良い御趣味ですね。仰る如く“朽葉色”とは曖昧で、染色では赤朽葉”と言うのかな⁉︎、~私は骨董古陶磁を商ったこともあり、斯界では“枇杷色”が通りが良かったです 🍶其れで言うと、古萩 が近い哉。唐津や高取,上野焼と同じく、豊臣や毛利が連れて来た李朝の陶工が始めた窯ですので、似てます。萩藩の坂窯当主は代々、高麗左衛門ですけん 🍵古唐津は高麗李朝との見極め難しくてねぇ、、何方もズッシリ重い土で固く焼き締まってて...象嵌三島手や堅手とか…唐津でも焼かれてる 奥高麗も、本家朝鮮で焼かれたのも有るそうで...。瀬戸唐津と云うのも有る さあ其れで、経緯から一番似てるのは矢張り高麗茶碗でしょう。先づは 🍚雑器 井戸茶碗。特に大井戸, 赤井戸という…枇杷色ですね~ http://www.geocities.jp/kazegama/fuutoujin2.html 伝世品 利休の,斗々屋ととや茶碗。も少し柿色でしょか、古田織部~小堀遠州~伝世 http://turuta.jp/story/archives/6411 下部に他の種類も 🏯江戸時代の大名道具で贈答の為の注文品で釜山で焼かれたのが、 御本茶碗。金海茶碗。熊川こもがい茶碗。 http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0095160 東京国博 何れも、濃い茶に合わせた、枇杷色,柿色。詳しくは高麗茶碗で検索で 国焼だと、江戸中期から始まった、伊賀・信楽焼の茶陶が暖かみ有って良し ~ 因みにnetオークションなら、古唐津の茶碗でも¥1万以下で入手可能でしたよ。私の今のid画像は李朝後期の総瑠璃 陽刻梅紋角瓶ですが之もヤフオクです。高麗茶碗も李朝末期で倣古品なら安く入手出来ました~既に百年を経て其れなりの古格は有り。画像も御座います。
お礼
marc2bolantiさん こんばんは。 ご回答ありがとうございます。 実は、今回、茶道カテで質問した理由は、質問文で書いたように、奥高麗茶碗 銘さざれ石は、美術館の図録やネット上の画像では、ベージュ色ですが、今回の出光美術館における展覧会の暗い照明において観ると、灰白く見えるのです。 美術館でじっと見つめていると、その灰色の中に、乳白色や赤みかかったベージュ色が現れ、その色に私は引き込まれました。 山上宗二記によると村田珠光は、茶道の「さび」を 「藁屋に名馬が繋ぎたるがよしと也」 と言ったそうですが、まさに、暗い照明下における地味な灰色に「艶」があるような印象を受けたのです。 ネットで「朽葉色」を検索すると、色が表示されますが、あくまで現在における標準化された色で、茶道において使われる朽葉色とは違うのではと思うのです。 昔の人はあえて「朽葉色」という抽象的言葉を使うことで、人それぞれの感性で感じる色が違うのではないか? また、そこに茶道の奥深さを感じ、ますます、茶道にのめり込んでしまいます。 marc2bolantiさんは、いろいろ茶碗にふれていらしゃるようで、参考になりました。 ご回答ありがとうございます。 もう少し開けておきます。
お礼
marc2bolantiさん おはようございます。 トイレに起きたついでにお礼を書いています。 marc2bolantiさんは、いろいろ茶碗を観てきていらしゃって、すばらしい目利きの方と思われます 酒器は随分使い込んだことで、色に変化が現れたそうで、私は特に写真右手前の赤みの指した灰色の青井戸に引きつけられます。写真でもこんなに良い色が出ているので、実物はどんなに美しいことか。marc2bolantiさんの家で、お酒を飲ませていただきたいものです(笑)。 今回、添付していただいた黄瀬戸茶碗のサイトも実物本来の色が出ている良いサイトと思われ、感謝いたしております。 陶芸家の先生に教えてもらいましたが、黄瀬戸茶碗や黄伊羅保茶碗は、本来、黄土色だが、オークションなどのネットの画像では画像を編集し、黄色が強調されすぎていることが多いから注意するようにとアドバイスをもらいました。 そんな黄瀬戸茶碗において、故各務周海氏の黄瀬戸茶碗は、本来の油げ手の黄土色で、ひとつ欲しいものですが、落札価格が高価すぎて手がでません(笑)。 脱線しますが、私が茶道の茶碗に興味を持ち、初めて美術館で観たのは、2010年の改修前の特別展における静嘉堂文庫美術館における曜変天目茶碗でした。 展示されていたのが、自然光が差し込む場所に展示されており、閉館まじかに夕日が差し込んで、茶碗に当たり、ものすごい感動を覚えました。 その後、曜変天目茶碗を観る機会がありましたが、夕日を浴びて光輝く、曜変天目茶碗の感動には及びません。 夕日が窓から差し込んでくれたということは、1年のうちのある日のみの現象で、その日、その場所に居合わせたというのは偶然以外に他ありません。 しかし、現在では、曜変天目茶碗の美しさより、「朽葉色」の地味な色の中の艶に魅了されております。 marc2bolantiさんのご回答に感謝をしベストアンサーで締め切ります。