クローン作成できるソフトはいろいろあって
その使い方を説明できる人は多くても
概念自体を、正確に理解し説明できる人は案外いません。
(正確には、こういうサイトにはあまりいないということになります)
クローンという言葉の定義を厳密に理解しているかどうか?
これは、文章からもにじみ出てきますが
少なくとも、質問者は理解していないように見えます。
回答者にも、カタカナ語自体が苦手な人もいるくらいで
なぜクローンと呼ぶのかすらわかっていない人がいるように見えます。
なおクーロンは電気量の単位で、九龍なら中国の地名でいくつかの読みがあります。
クローンは、複製という意味を持ち、まったく同じのもの
そのまま置き換えられるものという意味で、HDDに関してクローンという言葉が使われます。
まず、第一に、HDDやSSDのような装置は、低レベルから見ると
順番に並んでいるとおりにデータを読み出せるRAWデバイスに見えます。
その上に、IBM PC/ATの規格に沿ったパーティションテーブルが作られることによって
そこにできたパーティションに、NTFS,FAT32,XFSのようなファイルシステムを作ることができます。
ファイルシステムができたことによって、ようやくOS上から
ファイルを保存したり読みだしたりできる(論理的な)装置に見えるようになります。
その仕組みは、画用紙に、予定表を書く手順によく似ています。
できあがった予定表を、XEROXコピーで複製すれば
そのまま置き換えられる予定表ができます。
予定を気に入らない人が破り捨てても、すぐ複製を貼ればすみます。
でも、複製するためには同じ大きさの紙が必要です。
より大きい紙なら、余白は無視してもいいのですが
余白に、別の備忘録や買い物リストを書き込んだりしたら
それを、そのまま貼り付ければいいというわけにいかなくなります。
つまり、それは余白を転用した時点で
クローンでは無くなっているわけです。
では、そこを使ってはいけないのかといえばそうでもありません。
ただ、クローンという手法で、簡潔に済ませようとすれば
使うわけにいかないというだけです。
HDDのクローンを作る行程で、HDDはどう扱われるかといえば
前述したRAWデバイスとして扱います。
HDDの先頭領域にある512BytesのMBRのうち、446bytesのブートローダーや
残りを使ったパーティションテーブル、複数あるパーティションまですべて
そのまま、RAWデバイスからRAWデバイスへと書き写す。
これが、同容量のHDDで行われる、もっとも単純なクローンです。
ですから、Vistaからできたブートパーティションや
Dell製品にある自動診断ツールのパーティション
そして、リカバリー領域なども、複数のパーティションが、そのまま複製されます。
であればこそ、完全な交換すれば済むディスクができあがります。
パーティションの固有番号であるUUIDも同じ値になり
複数のHDDを組み合わせた構成でも
BIOSレベルの誤認などが起きなければ
個別のHDD換装ができるはずです。
ただ、クローンを作成したいHDDの容量が大きすぎて
重要な部分が一部だけであれば
必要充分な部分だけを複製すれば済みますから
最小構成としては、MBRやC:ドライブの複製を作っておけば充分ですし
物理的にHDDをそのまま置き換えられるように作らなくても
必要な部分だけを複製しておくこともできます。
そういう場合には、専用のソフトか、手作業で対処できますし
イメージファイルというカタチで、80GBのイメージバックアップを
外付けHDDに保存しておいて
何かが起きた時には、小さめのSSDを買ってきて
イメージファイルを書き戻せば、そのSSDから
すぐOSが起動できるようにすることができます。
大きすぎる紙に複製した予定表も、必要なところだけ切り離して使えれば
それで問題にはならないわけです。
こういった概念を理解していれば、必然的に
HDDのクローンとか、C:ドライブのクローンという表現に思い至りますし
クローンの条件を逸脱ことの問題も見えてきます。
そういう技術は、Windowsでクローンソフトが話題になる何年も前から
他のOSでは普通に使われているものでしたが
クローンという表現は、正確な定義なく広まりましたから
使い方を、勘違いしている人も含めて、いろいろ変な記事は見つかります。
大容量HDDで、クローン+その他のパーティションという構成では
そのHDDを繋ぐことで、ファイル検索や、なんらかの誤動作を招く恐れがあります。
C:ドライブとまったく同じパーティションが誤認される恐れがありますし
強制的にドライブレターが割り当てられてしまいます。
マルウェア感染においては、バックアップとしての役割が台無しになります。
イメージファイルとして保存しておく場合は
そのまま起動できないので、トラブル時に
別のOSで、起動できるHDDとして復元する必要があります。
(これは富士通などが採用しているマイリカバリーに近い仕組みになります)
反面、マルウェア感染の耐性は充分に高くなると考えられます。
そういった作業のために使うソフトによっては
自動的に指定したパーティション以外を
無かったものとして複製できるものなどもあると思いますし
イメージファイルを圧縮することで
元のHDDの容量よりも小さいバックアップイメージを作れる場合があります。
パーティションサイズの変更ができるものもあると思いますが
パーティションサイズ変更は、不具合でファイルシステムを破壊するリスクがあり
あまりオススメすべきでは無い機能だったりもします。
まぁ、自己責任で使うのは勝手ですが
別途バックアップをとってあることが前提だと思います。
また、Windows8移行の高速起動という
中途半端に終了して、途中からやり直すという仕組みでは
特殊なパーティションやファイルシステムの操作が
誤動作やファイル喪失などが起きることが知られています。
ですから、そういった作業を行なう場合は
高速起動を使わない、本来の正常なOSの終了を行なった上で行なうべきです。
お礼
ありがとうございます。