こんにちは。
薬を飲むタイミングってありますよね。疑問に思うこともあると思いますが、そこにはきちんと理由もあるのです。
質問者様がおっしゃっている風邪薬を市販の総合感冒薬としてお話しますと、ほとんどの総合感冒薬には熱や痛みを抑えるための消炎鎮痛剤が配合されています。
この成分は痛みを抑える代わりに胃粘膜の防御因子の一つを抑え込んでしまいます。これによって胃がダメージを受けてしまうのですが、食後に服用することでその影響を少し減らすことができます。
多くの薬は胃で吸収されず、胃の先にある十二指腸や小腸で吸収されます。ということは胃に留まっていたら薬が吸収されないだけでなく、胃粘膜を直接刺激してしまいかねません。
胃という臓器は普段はあまり動かず胃酸も出していませんが、食べ物が入ってくることによって胃酸を出して溶かし、動いて食べたものを胃の先に送り出します。胃に入ってきたものを胃から送り出す速度を「胃内容排泄速度」と言いますが、食前と食後ではこの速度がまるで違ってきます。
風邪薬を食後に服用することで解熱鎮痛剤による胃のダメージを軽減できるとともに、胃から送り出す速度を速めることで薬に吸収も早めることができます。
胃に優しくて早く効くのが食後服用ということですね。
この際に食べる量ですが、お腹いっぱい食べる必要はありません。バナナ1本でも十分でしょう。なにか少しでも食べるという感覚で大丈夫かと思います。
お大事になさってください。
ココカラファイン 薬剤師(@cocokarafine) プロフィール
ドラッグストア・調剤薬局を全国約1300店舗展開しているココカラファインのWEB担当薬剤師です。
健康、美容についての気軽な相談相手として「お友達以上お医者さん未満」のような存在を目指してます。
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