SONYは高速アクセスを企図して、RAID0構成を採用したPCを
いくつか発売していましたが、RAID0はそういうものなので
関連するリスク等については、説明書に書いてあったと思います。
RAIDに限らず、HDDが壊れた場合は
あとからデータを取り出すことはできないので
バックアップの必要性については、説明書に書いてあったはずです。
RAID0は、複数のHDDを組み合わせ、交互にアクセスすることによって
1基のHDDの読み書き速度の、台数倍近い高速化を実現する技術です。
SSDが登場したことによって、RAID0構成の機種は減りましたから
けっこう古い機種だろうと思います。HDD単品の保証期間が2,3年ですから
HDDは3年も経てば、壊れてもわりとあたりまえのことですから
リカバリーディスクの作成も、説明書で促されていたんじゃないかと思います。
結局は、後の祭りということになります。
RAID0構成が壊れた場合、修復手段はありません。
RAID0はHDDの全面に一斉に影響し
一方のHDDの全体が読み出せても
それ単体では、一切のファイルが取り戻せません。
例外的に、壊れたHDDからデータを取り出す
特殊な設備とノウハウを持っている業者に依頼すれば
壊れたほうのHDDから取り出せたデータと
壊れなかったほうのHDDのデータを組み合わせて
ファイルが取り出せる場合がありますが、確実性はあまりありません。
また、成功しても、非常に高価なデータサルベージ費用から
一般家庭では手が出ないと嘆く人が少なくありません。
仮に購入時にそういった保険に入っていても
すでに期間を終えているかもしれませんが
こころあたりがあれば、調べてみましょう。
ともかくRAID0にはそういう性質があるので、SONY以外には
RAID0を標準採用するようなことは、ほとんどしませんでした。
必ず、その性質を理解していない消費者の一部が地雷を踏むからでしょう。
2chなどでは発売時にも、悪質なPCと評されていたと記憶しています。
HDDの一方が不良品で、短期間で壊れれば、RAID0は崩壊します。
ゆえにRAID0は故障率を高める構成とも言われているからです。
標準で、データサルベージ保険付きで発売すれば
もうちょっとSONYの評価も高かったかもしれませんが…地に落ちました。
たぶん、Vista世代のCore2Duo搭載製品までそういう機種はあったと思いますし
モバイルワークステーション的な位置づけで、オプショナルなGPUや
高画素の液晶を搭載した機種だったと思いますから、そういうものなら
HDD換装して、代わりのOSを入れて使い続ける価値はあると思いますが
壊れたHDDと、その中身はあきらめてしまうほうが気が楽になるかもしれません。
機種が特定できないので、最良の選択肢はわかりませんが
VistaはすでにSONYからリカバリーディスクを購入することもできないはずです。
7については問い合わせてみる価値はあるかもしれません。
内蔵HDDは、片方が壊れていて
他方はまだこわれていないと思いますが
同程度に老朽化しているので、使い続けることはお薦めしません。
壊れたHDDだけを換装して、RAID0構成を再構築することはできるはずですし
RAID0構成を解消して、使うこともできるはずです。
別のWindowsと、代わりのHDDなどでけっこうな費用がかかりますが
私なら、RAID0はやめて、5000円くらいの120GBくらいのSSDを入れて
無料配布されているLinux系OSで動かしてみます。
ただ、Linux系OSに限らず、リカバリーシステムに比べれば
インストール時にトラブルが起きることがありますし
デバイスドライバーが無いなどの理由で、うまく運用できない場合もありますから
どんなOSを用意するにしても、まず壊れなかったほうのHDDにインストールしてみて
使えそうだと思ったら、あらためて新しいHDDかSSDを買ってくればいいでしょう。
容量を求めるならHDDのほうが大容量ですが
SSDならば、単体でもHDDのRAID0構成よりも速い場合があります。
RAID0ではなく、可用性を重視したRAID1,5,10などに対応した
NAS製品を導入すれば、内蔵HDD,SSDの容量不足に対して
大きな安心が得られます。
(一般的にRAIDはHDDが一つ壊れてもデータが失われず
作業を中断されないという、可用性を高めるための技術として知られています。
RAID0はその中の例外で、可用性は捨てて、高速化を重視した異端の技術です)
結果的にそのPCを使い続けられなくて
新しいPCを買う場合も、現在はSSD標準搭載で
容量不足になりやすい機種もあるので
NASのことは検討しておく価値があると思います。