愛人や妾ってのは、相手の女性は一応独身女性です。昭和の頃までは女性は経済的に男性に依存しなければならないことが多く、そのため社会的に成功した男性の愛人や妾にならないと生きていけない立場の女性も少なからず存在しました。
だからその頃は「批判をしたところで、じゃあ妾になる女性はどうやって生きていけばいいのか」というのはあったと思います。1980年代以降、女性も社会進出をして男性に依存しなくても経済的にやっていけるようになってくるに従って、「経済的に苦しい女性の弱みに付けこんで妾を持つような男はけしからん」というムーブメントは起きてきたと思います。その旗を持って走っていたのが田嶋陽子先生だったといっていいと思います。
1982年に「夕暮れ族」という愛人斡旋業者が摘発を受けて大いに話題になったことがあります。そこの女社長がテレビによく出演していたので当時ときの人になっていたのです。その夕暮れ族が摘発されたとき、表向き「女子大生」「OL」と名乗っていた女性の中に少なからず人妻が混ざっていたことにゴシップ雑誌では話題になったものでした。
その後テレクラなどの「出会いのツール」がどんどん身近になってきたのでまあそれとともに人妻が「浮気しやすくなった」というのは間違いないと思います。ハードルが下がれば参入してくる人たちが増え、その絶対数が増えれば露見する件数も増えてくるものだと思います。
石田純一さんが「不倫は文化」と発言し(たとされ)て干されるようになったのが1996年のことだったそうですから、もうその辺りから「愛人を持つのは男の甲斐性」などとおおっぴらにいえなくなってきたと思いますね。調べてみたら、「援助交際」という言葉が流行語大賞を受賞したのも奇しくも1996年だそうです。
もしかしたら、1996年というのは風俗史においてエポックメーキングな年だったのかもしれませんね。「不倫は文化」とか「エンコーして何が悪いの?」という考えに対するアンチテーゼとして「そういうことはよろしくない」という保守反動も当然起きてきたと思います。
お礼
ありがとうございます。