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レモンゼラニウムの花が咲かない
- 庭に地植えして2年の春を迎えたレモンゼラニウム。日当たりは良好で葉は繁り、株も成長しているが、花芽が出てこない。
- 葉先が白っぽくカリフラワーのように縮れ、摘芯をしても効果があるのか不安。
- 窒素分が多く花芽が形成されない可能性があり、庭作り初心者として育てた苗に思い入れがあり、花を咲かせたい。
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画像の物は「レモンゼラニウムの斑入り葉品種」ですね。品種名は不明ですが、流通名で斑入り個体を表す‘バリエガータ’と呼ばれるものなのかもしれません。検索して調べてみると茎が棒状に伸びて育っていくのが特徴の様で、これは摘心せずにそのまま育てて「斑入りの葉を眺めて楽しむ品種」の様です。 購入時は花が咲いていましたか?画像検索してみても花を付けた姿が全く見つけられないので、葉を観賞するゼラニウムで花が付きにくい性質を持っている可能性があります。 元々レモンゼラニウム自体が、ゼラニウムの中でも葉を利用する利用目的の系統(普通の花弁が大きく綺麗な花を咲かせるゼラニウムとは別物)なのです。どちらかといえば原種に近い系統・・・。 「センテッドゼラニウム」という葉の香りを楽しんだり利用する系統なんです。花は咲かせますが観賞目的になるほど綺麗さは無く花数が元々少ない物が多く、ほとんどが細い花弁のピンクの花で、それ以外の色もあまりありません。 元々センテッドゼラニウムは日本にローズゼラニウムが入ってきたことからはじまり、植えていると香りが虫を寄せ付けないと言われていた「蚊連草」(蒸留された精油に効き目があるだけで、生で生えていても実際はそれほどの効果は無い)と呼ばれる物が流行ってから、葉に果物などの香りに似た香りを持ついろいろな種類がたくさん出回るようになりました。元々は園芸種では無いので花の方の改良は別段されておらず、異種間で交配させて別の香りを作ったりする程度の品種改良がされていた程度です。 斑入り個体という条件も花が咲きにくい原因となっている可能性があります。斑入り模様は元々は突然変異で出現するもので、自然界では不自然な存在です。なので日本などでは珍しがって好まれる傾向が強いのですが外国ではあまり好まれず花卉生産業者の圃場では偶然斑入り個体が出れば嫌がられて捨てられてしまう事も多いのだそう。その理由は「通常の育ち方をしない・育ちが遅いものが多いから」だそうです。 逆に日本では、江戸時代からの古典園芸の習慣から突然変異個体が珍重されてきて高額で取引されてきた歴史があったので(品種名の末に「錦」と言う言葉を付けて区別し流通させた)、たとえ性質が弱かったり育ちが遅くても花卉生産業者は大切に育てていき正常な個体より手間暇かけた分通常の販売と比べると何倍も高い値段で出荷します。 外国の植物であっても斑入り個体が変異前の正常な緑色の葉の個体よりはいくらか弱いのは共通しています。それでも今回はゼラニウムと言う「植物自体が栽培環境自体が合っていれば性質は強健」な植物の為に、斑入り葉であっても育てにくいと言うほどではないのでしょう。でも斑模様というのは元々葉緑素の異常であり普通の個体よりは光合成が足りない事には違いがありません・・・。斑模様でもいろいろなパターンがありその模様の入り具合と全体での割合によっては葉自体は元気に育ってくれても、それ以上の機能が弱い物も結構多いのです・・・。 例えば、我が家には突然変異で生えてきた斑入り葉のツルウメモドキがあります。元々バードテーブルで野鳥が糞を落とした中から生えてきて、葉一枚の3~5割がクリーム色の分け斑模様になります。ツルウメモドキは雌雄異株でその斑入り個体は雌木だったのですが、花は咲くものの数が少なく、一緒に雄木が生えているのに全く実が成りません。普通雌雄の木が揃っていれば枝にびっしりと実が成ってくれ、実がはじけると綺麗なため蔓をドライフラワーにして室内に飾る事も多いほどの木です。おそらく葉に斑模様が多すぎて受粉・結実できるほどの養分は溜められないのだと思います。 画像を見ればこの斑入りレモンゼラニウムの斑まわり(斑模様の割合)はかなり多い(多すぎる)方です。斑入り個体としてはとても綺麗なのですが、斑が多すぎて部分的には葉一枚でかなり白っぽい物もある様です。こういう個体は葉を観賞する分にはとても綺麗なのですが、花を咲かせる目的で栽培するにはあまり希望が持てません・・・。人為的に肥料や薬剤に頼って花を咲き易くすれば無理をさせる事に繋がり今度はそれが負担となって株自体が弱ってくることさえもあります。残念ながらこういう個体は花は期待せず、「この株は葉を見て楽しむ物」と割り切って考え育てていくしかありません・・・。 花を見たいのなら一番良いのは、「斑模様を持たない緑一色の葉を持つ株」です。そういう個体なら花目的では無い系統でも割と花芽が付き易いですし、もし花が咲きにくくても開花促進剤(リン酸単体の液肥)を適宜与えていけばいずれ花を付けてくれるでしょう。 それで今後の対処は2通りあります。「緑の葉だけのレモンゼラニウム」を新たに買うか、今の株から「出来るだけ斑模様の少ない枝を探し、その枝を挿し木して新たな株を作る事」のどちらかです。 緑の葉だけのレモンゼラニウムは、時折先祖がえりで斑入り葉品種の枝から出現することもあります(斑抜け枝)。運よくもしそういうのがもし出てくれば、元々そちらの方が正常なのですから斑入り葉品種から生やしたままにしてちょうど良い長さまで育ててから切り挿し穂にしましょう。この先祖がえりの枝は切り取らずにそのまま育ててしまうと、緑一色の葉の先祖がえりの枝の方が優勢になりますので斑入り葉が弱ってしまい先祖がえり枝の方に株が乗っ取られてしまうので、斑入り葉株からはできるだけ早めに取り除くべき存在。 挿し木して新たな根が出てくる長さが10センチくらいからなので、もし先祖がえり枝が生えて来ればそのくらいまで伸びるのを待ってから切り離し、挿し木後ゼラニウムは土が湿りすぎるのを嫌うので少し水遣り頻度を少なくしながら発根を待つと新たな株になります。斑模様の少なめな枝を挿し木した時も挿し木後の管理はほぼ同じです。 育ってくると斑入り品種としての見かけはイマイチな個体になる可能性はありますが、葉一枚についての葉緑素の量が今の個体よりは多くなるので花芽が付いてくれる可能性はあると思います。でも、それは確実では無くその品種の特徴として「花を咲かせない事」が突然変異の特徴に組み込まれている物も時にはありますので(例えばローマンカモミールの変異品種で芝生用に使う「ノンフラワーカモミール」など)今ある個体の血筋自体が花が咲かない可能性もあるかもしれません・・・。 確実に花が見たいのであれば、やはり新たにレモンゼラニウムの「緑葉の株」を買う方が良いと思います。それも花が咲いている物を買えれば、その後も花が咲き易いと思います。 レモンゼラニウム自体、探すとなるとなかなか花屋で売っていない事もあります。そういう時はインターネット上のネットショップ(インターネット通販)のハーブ専門店で扱っています。 センテッドゼラニウムはコレクション性の高い系統なので、大きな店だといろんな香りがする種類の品ぞろえが良い店もあります。レモンゼラニウムの緑葉の普通の物だと大抵扱っていると思います(ただ、葉の形が少し違う別品種の物になるかもしれません)。 他の香りのセンテッドゼラニウムや、他のハーブと一緒に買えば送料もそれほど高くは感じないと思います。ただ、他の種類にも斑入り品種があり通販の場合は増殖時の挿し木の枝により斑周りの多い(多すぎる)ものや、酷いとほぼ斑抜けに近い個体を送ってくる場合もあるので斑入り葉品種を購入する場合は通販だと当たりはずれがある事は覚悟なさっておいて下さいね。
お礼
大変詳しく回答いただき感謝です!!なるほど。 葉を楽しむタイプの品種なのですね、納得です。 購入時には花はなく10センチくらいの苗でした。花を咲かせることばかりにこだわっていましたが、目からうろこです…。それぞれの個体の個性や、良さを楽しむということを教えていただきました。 確かに葉の香りは大変爽やかですばらしいですし、葉のカールした感じも可愛らしく思えてきました。 アドバイス頂いた斑の少ない部分での挿し木も挑戦してみます!! ガーデニング初心者で、手探りの庭作りですが、一つ一つ経験をつんで、bannzaiusagi様のように人にアドバイスできるようになりたいです。 本当にありがとうございました!