かつて東京のハイヤー・タクシーでの大手4社のうちの某社でハイヤー契約の法人営業に携わっていた者です。
まずハイヤーとタクシーの法的な違いから申し上げますと、少々堅苦しい言い方ですが、ハイヤーとは「貸切乗用自動車」と言い、タクシーの「流し営業」に対してハイヤーは「車庫待ち営業」を基本とします。そのため、タクシーの運賃が乗車地点から下車地点までのいわゆる実車部分にのみ課されるのに対し、ハイヤーの運賃は出庫から帰庫までの総時間または総走行粁で算出されるのでかなり割高感のあるものとなります。
そのためもあってか、ハイヤーとして使用する車両は国産車、外国車ともトップクラスのハイグレード車を使用しています。また、最近は少人数の団体客やVIPでも他者からの目を避けたいという要望に応えるため国産車でいえばアルファードのようなワゴンタイプの車も導入されています。
主な客層は大企業の重役などの幹部クラスの方々ですが、貸切契約ではタクシーを1日チャーターするより安価となるためと公官庁や国会等にタクシーの乗り入れができないこともあり、新聞社や放送局の報道用車両や公官庁の公用車としとも使われています。また、冠婚葬祭の式場と契約して、結婚式や葬儀の送迎用としての使われ方もあります。
このように東京でのハイヤーの需要は9割方企業向けですが、京都ではハイグレードな観光地めぐりとしての使われ方もあるようです。なお、地方によってはタクシーでも車庫待ち営業のみのところもありますが、東京のハイヤーとは全く別物です。
また、ハイヤーは一般的に黒色または濃紺色の車体で、これと区別するため東京地方のタクシーは黄色や橙色などのカラフルな車体でしたが、10数年前からハイヤーとタクシーの中間的な需要を狙って、各タクシー会社が従来のタクシー車両よりハイグレードな車両を使いつつタクシー運賃で乗ることのできるハイグレードタクシーの導入をしています。(呼び方は「黒タク」、「ハイグレードタクシー」などタクシー会社によって様々です。)
お礼
回答頂きありがとうございました。