「サルトルが分かる本」 というのなら、サルトルの著作を読むよりも、サルトルについて書かれたもの、あるいはサルトルに関する解説書を読むのが手っ取り早いのではないでしょうか。
それによって、サルトルがどういう人物か、どんな思想の持主か、どんな著作をしたのか、どんな活動をして、どんな人生を送ったのかということの概略が分かるはずです。
漱石が分かるにはこれを読めばいいという 「作品」 はないでしょう。「猫」 も漱石なら 『明暗』 も漱石奈わけで、しかも作品というのはそれ自体が独立したもので、作者はそれらの作品を生み出す媒体に過ぎないという見方もできます。
著作者の一端を知るにはこれを読んでおかなければ、というのなら、少なくとも代表作は読むことになるので、サルトルの場合は小説、評論、劇作、哲学論文などがあります。それらのどれかだけで済ませるなら、サルトルを読んだことにはならないでしょう。
小説で有名なのは 『嘔吐』 で、これは短いですが、『自由への道』 は長編です。長さでいえば戯曲は読みやすいかもしれませんが、有名なのがいくつもあって、これだけはという指定ができません。
ジャン・ジュネについての分厚い評論があるのですが、これは少なくともジュネの作品には通じておく必要がありそうです。『シチュアシオン』 の中の興味あるものを拾って読むとか ・・・
しかしサルトルは本来は思想家であり哲学者なので、こちらの方面の著作を抜かすわけにはいかないでしょう。『弁証法的理性批判』 とか 『存在と無』 とか。後者は小説を読むような感覚で読んだ人もいたみたいですが ・・・
* 私はサルトルには無縁な人間だし読者でもないのですが、せっかくのご質問にまだ回答がないようなので、とりあえず書いてみました。
お礼
丁寧なご回答、有難うございました! サルトルについて書かれたもの、研究書を読むことは考えているのですが、やはり本人が書いたものに当たることも重要だと思ったので、とは言っても、著作数が膨大なので、何か推薦して頂けたらと思った次第です。 参考にさせて頂きます。